最新記事

学び直し

自分で成長を止めないで...「このまま終われるか!」から始まる生き直し戦略

2022年6月7日(火)16時42分
flier編集部

人生は螺旋階段のようなもの。「大丈夫」と思ったらまた不安になる......というのを繰り返していく。同じところをグルグルと回っているように見えますが、迷いながらも少しずつ前に進んでいれば、あるとき5年前とは明らかに違う景色が見えるようになっているはずです。

「学び直し」の効果を出すためにトップがやるべきたった1つのこと

── 日本の企業で「学び直し(リスキリング)」や「学びほぐし(アンラーニング)」がますます注目されており、「幸せへの6つの力」との関連性を感じました。企業は学び直しを機能させるために、どういったサポートをするとよいのでしょうか。

そもそも学び直しやリカレント教育の意味について考えてみましょう。これは、社会人になってからも「教育」と「就労」のサイクルを繰り返す教育制度を意味します。学ぶ側にとっては新たなスキルを身につけられます。また企業側にとっても、経験を積んだ人材が学び直すことで、イノベーションが生まれやすいというメリットがあります。

私は50歳以上の学びは、勉強ではなく学問にすべきと考えています。勉強と学問は全く違うんです。料理にたとえると、勉強は誰かが育てた野菜をお皿に盛りつけて、サラダとして出すようなもの。これに対して学問は、どんな土地にどんな種を蒔くかを考えるところから始まります。台風や干ばつが起きても枯れないように野菜を育てて、収穫する。そして、それを「食べてよかった!」と思ってもらえるようなサラダにして振る舞うんです。誰かのために役立つアウトプットをすることは極めて重要です。

多種多様な経験をした50代であれば、学問をすべきだし、誰もが例外なく、学びのプロセスを設計する力を持っています。具体的に動きさえすれば、学びのスイッチはオンになります。

── 「学び直し」の大事な前提条件ですね。

はい。学び直しを企業の戦略として進めていくためには、学びをアウトプットする機会が欠かせないわけです。にもかかわらず、日本の企業では、従業員に能力を発揮する機会を充分に提供できていないケースが多いように思います。

大事なのは、トップ自らが学んでいこうという覚悟をもてるかどうかです。学び直しとは、経営層と従業員が互いを理解し合う機会があってはじめて、真の効果が出るものです。トップにその姿勢がなければ、本人は学びを会社に還元できない。挙句にはセカンドキャリアとして自分のことを認めてくれる他の会社に移っていってしまいます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

インドのロシア産石油輸入、減少は短期間にとどまる可

ビジネス

主要国・地域の25年成長率見通し上げ、AIブームで

ワールド

ロシア船籍タンカーにドローン攻撃、トルコ沖で 乗組

ビジネス

英中銀、銀行の自己資本比率要件を1%引き下げ 経済
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中