アメリカ長期金利の上昇材料そろい踏み 2%水準も視野に
アクション・エコノミクスのグローバル債券分析担当マネジングディレクター、キム・ルパート氏は「FRBが利上げする条件は相当整ったようだ。労働市場がかなり堅調だからだ」と語った。もっとも同氏は、休暇シーズンでデータにゆがみが生じた可能性もあると付け加えた。
フェデラルファンド(FF)金利先物は現在、年内3回の利上げを完全に織り込み、最初の利上げが3月にも実施される可能性を示している。
需給バランス
FRBの利上げ前に企業が社債を発行する動きも相次ぎ、米国債相場の下落に拍車をかけている。
シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は「企業はなるべく早く借り入れを行うとしているようだ。金利が上昇しているため、もっと良い水準になるのを待つよりは今発行してしまおう、という話し合いがどんどん増えるだろう」と述べた。
今年はFRBと欧州中央銀行(ECB)を含む主要中銀が債券購入を縮小し続けそうなため、世界的な債券需給も悪化しそうだ。
JPモルガンのアナリストチームによると、FRBが9月に2度目の利上げを行った後にバランスシートの縮小を始めるとすれば、市場は今年第4・四半期に差し引き1500億ドル分の国債を追加吸収する必要が生じるかもしれない。
議会が気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」を通過させれば、今年の正味の国債発行はさらに2000億ドル前後増えかねない。
JPモルガンの予想では、世界の債券需給は今年、昨年に比べて1兆1000億ドル悪化し、「ブルームバーグ・グローバル・アグリゲート・インデックス」が示す利回りを30ベーシスポイント押し上げる要因となる可能性がある。
(Karen Brettell記者、Gertrude Chavez-Dreyfuss記者)
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