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ビジネスに名文はいらぬ...マニュアル的に必要十分な文章を書く3つの鉄則

2021年8月17日(火)19時14分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
タイピング

fizkes-iStock

<「伝える」ことが目的のビジネス文書に、名文は不要だ。にもかかわらず、うまく書こうとしてムダな努力を重ねていないだろうか。コツさえつかめば、誰でも「相手を動かす文章」は書けるようになる>

SNSの普及により、老いも若きも玄人も素人も、文章を書く機会が増えた。SNSに投稿するかは別にしても、リモートワークが日常になった今、文字ベースでのやりとりがこれまで以上に重要になっていることは間違いない。

上司や同僚、取引先からこんな指摘を受けたことはないだろうか?
「結局、何が言いたいのか?」
「根拠が弱い!」
「そのデータ、確かなのか?」

報告書、提案書、企画書、メール......。ビジネスシーンで必要とされる文章において、上記のような指摘はマイナスの印象を与える。それはつまり"仕事ができない"と烙印を押されてしまうということだ。

実力があっても、文章力の弱さが足を引っ張っているという人は少なくない。ビジネス文書を早く書き上げられるようになれば、労働生産性が上がり、自分本来の実力が発揮できるようになる。

ビジネスの現場では、川端康成のような名文家になる必要はない。スティーブ・ジョブズのような名スピーカーになる必要もない。相手をその気にさせ、こちらが思うように動いてもらうことがビジネス文章の基本だ。きれいな文章が良い文章とは限らない。

ビジネス文章には、歴然とした「型」がある。相手に伝えるための「コツ」も存在する。それは非常にシンプルなものだと、『即!ビジネスで使える 新聞記者式 伝わる文章術』の著者・白鳥和生氏は言う。

白鳥氏は、日本経済新聞社の記者として30年以上のキャリアを持つ。駆け出しの頃は、ベタ記事のような短い文章を書くのにも半日以上も四苦八苦していたが、苦手意識を克服して「伝わる文章」を書けるようになったという。

せっかく書いた文章でも、相手に伝わらなければ、ただの文字列になってしまう。では、どうしたら相手の行動を引き出すという「目的」を果たす文章を書けるようになるのか。

「読んでもらえる」と相手に期待しすぎている

企画書やプレゼンは、そもそも「読んでもらえない」「聞いてもらえない」前提で始めることが重要だ、と白鳥氏は指摘する。会話やプレゼンでも、聞き手の第一印象を決定づけるのは、視覚情報(見た目、しぐさ、表情、視線)が55%、聴覚情報(声の質や大きさ、話す速さ、口調)が38%、言語情報(言葉そのものの意味、会話の内容)が7%と言われている。

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