努力不足じゃない、仕事が合っていないんだ...自分の「強み」の見つけ方
ただ、構想当初からこの4分割の手法がクリアに頭に浮かんでいたわけでありません。現在、YouTubeで20代を中心とした若者の仕事の相談に乗っているのですが、彼らの悩みを解決するにはどう説明すれば分かりやすいかな、といろいろと試行錯誤しつつ、「仕事で苦しんでいるのは、あなたがその場所にいるからだよ」などと対話を重ねる中で、4分割の図式に辿り着きました。
あの絵が具体化したのは、ここ半年ぐらいの話ですね。本書は、YouTubeの発信を通じて出会った若者たちとのコミュニケーションがあってこそ完成しました。そんな彼らのエピソードも盛り込んでいます。
GAFA部長が教える自分の強みを引き出す4分割ノート術
著者:寺澤伸洋
出版社:世界文化社
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自信を持っていい
── 確かに4分割すると考えが整理されますね。
「強みを生かせる場所に行きましょう」と言われても、自分の強みが何か、なかなか答えづらいものです。それは自分と他人を比較してしまうからだと思います。
例えば、自分は「足が速い」と思っていても、世の中にはウサイン・ボルトみたいに上には上がいるために、他人に「足が速い」と言い張れず、しり込みしてしまう人は少なくないでしょう。それは「強み」を他者比較で見つけようとしてしまっているからです。
本書では強みを見つけるときには、「あなたが一番自信を持っていることは何ですか」「他人がどうであれ、自分の中で一番自信があるもの、それは強みと言っていいんだよ」と伝えています。
また、こうして強みを知ると同時に、苦手、嫌い、避けるべきところをきちんと明確に知ること。そしてそこからは距離を置き、強いところにアプローチする生き方をしようというのが趣旨です。
── 読者はどのような層を想定されていますか。
そうですね。20代や30代、特に自分が今の場所で輝けていないと感じている人たちです。
新卒で入社したばかりの若い世代は、自分を客観視できないもの。自分が合わない場所にいるという理解ではなく、「自分の努力が足りない。自分がダメなんだ」と思いがちです。そういう人たちに「違うんだよ。仕事が合ってないだけだから」と気付かせてあげられたらいいなと思っています。
苦手から逃げる
── 寺澤さんの得意や苦手は何でしょうか?
私の場合、得意で好きなことは業務の効率化や文章を書くことで、苦手で嫌いなことは経理、営業、英語といったところでしょうか。
私は新しいことを考えて工夫して変えていくのが好きなんですが、逆に経理はやり方を変えてはいけない。ルール通りにやる決まりなので、全然面白くなかったですね(笑)。
営業では当時、全然売れませんでした。性格的にゴールまで一直線、最短距離を目指すタイプなので、営業トークなどが肌に合わなかったんでしょうね。