マイク・タイソンやJay-Zも...黒人起業家が大麻ビジネスに続々参入の深い訳
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絶えず変化する法律や政策の中で、大麻関連ビジネスを始める方法はもちろん、合法的な状態をどのように維持すればいいのかは難しい問題だと、ホワイトは言う。
大麻関連企業が銀行から融資を受けることは相変わらず難しく、有色人種の場合はなおさらだと、ホワイトは指摘する。そこでサクセス・センターズのような支援が重要になる。さらに、黒人起業家は成功の手本になるというだけでも、コミュニティーへの貢献という大きな意味を持つ。
既にそうした手本は存在するが、黒人が手掛ける大麻ビジネスの数は、白人のそれにはまだ及ばない。全米で推定3万~4万社ある大麻関連企業の人種構成について、一般に入手可能な情報を提供している州は少ないが、マリフアナ・ビジネス・デイリーが17年に行った調査によると、アフリカ系アメリカ人が経営する企業はわずか4.3%だった。
この調査で、自分はマイノリティーだと申告した経営者や創業者は約19%。その内訳はアフリカ系が4.3%、ヒスパニックおよびラテン系が5.7%、アジア系が2.4%となっている。「その他」と答えた人は6.7%で、これには混血である、もしくはアフリカ系ではないが黒人であると答えた人が含まれるとみられる。
とはいえ、成長を続ける大麻ビジネスを、白人優位の世界から変えようという企業もいる。実際、黒人が経営する大麻関連企業は全米で次々に誕生しており、パンデミックの最中に事業を広げて成功している例もある。
その中には大麻の栽培農場もあればマリフアナの調剤薬局もある。食用大麻を自宅で加工する簡易オーブンなどを開発・販売する会社もある。
「黒人起業家として成功できたことだけでなく、成功のノウハウを伝えられることに誇りを持っている」と話すのは、大麻の栽培から販売まで一貫して手掛けるカリフォルニア州の会社MDナンバーズの共同設立者マリー・モンマルケットだ。
自立と成功のロールモデル
同社は昨年、創業以来最高の収益を上げた。モンマルケットはパートナーのアラン・ハケットと共に「自分たちの会社を立ち上げようと、文字どおり命懸けで何年も頑張ってきた」と言う。「アランと私は大麻絡みで服役した経験がある。だから、自分たちが身をもって学んだことを後から来る仲間に伝えられる」
成功した黒人の経営者の存在は非常に重要だと、モンマルケットとハケットは力説する。彼らの姿を見て、黒人その他のマイノリティーがこの業界で一旗揚げようと奮い立つからだ。スポーツ界などで活躍してきた黒人も進んでお手本を務めようとしている。元ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンは16年に大麻の会社タイソン・ホリスティックを設立。目下、高級な大麻リゾートの開発に取り組んでいる。
アーティストのJay-Zは20年に自身のマリフアナブランド「モノグラム」を立ち上げ、大麻業界への参入を目指すマイノリティーを支援するため、リアーナやDJキャレド、ミーク・ミルらから出資を集め、1000万ドルの基金を設立した。彼はウォール・ストリート・ジャーナル紙の最近のインタビューで、「手応えのある具体的な形で自分も何か貢献したいと思った」と語っている。