マイク・タイソンやJay-Zも...黒人起業家が大麻ビジネスに続々参入の深い訳
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どんなビジネスにも言えることだが、起業をするにはまとまった資金が必要だ。マイノリティーにはそれが大きな参入障壁となる。大麻ビジネスのノウハウはカリフォルニア州のオークスターダム大学などで学べるが、事業を始めるには大麻栽培用の広大な農地や調剤薬局を開く建物を確保しなければならず、借りるにせよ買うにせよかなりの元手がいる。
「大麻の事業というだけで、面積当たりのレンタル料が3倍になったりする」と、サクセス・センターズのホワイトは言う。儲かる商売とみて地主が地代をつり上げる場合もあるが、法的規制が流動的なため事業が突然禁止されて賃料の支払いが滞るリスクがあり、それを織り込んで賃料が高めに設定されることもある。
「懐の深い」産業を目指す
地代・家賃が通常より高くつく上、銀行の融資も受けにくいと、ホワイトは実情を説明する。各州当局に大麻栽培に課している高い税率を引き下げ、補助金の支給など起業支援に力を入れてほしいと訴えている。
大麻産業はその性質上、社会的公正を目指す運動とリンクしてきた。大麻合法化運動を長年率いてきたアンドルー・ディアンジェロは19年にNPO「最後の囚人プロジェクト」を立ち上げた。自分たちの「ミッションは、大麻で投獄された全ての囚人の釈放と前科取り消しを勝ち取り、就労・社会復帰を支援することだ」と、彼は本誌に話した。運動資金の大半は大麻事業から得ているという。利益を全額、社会的公正と大麻関連受刑者の前科取り消し運動に寄付すると公言しているマリフアナブランド「ジャスティス・ジョインツ」もパートナーに名を連ねている。
マーケティング専門家らが設立した「キャナインクルーシブ」は黒人に限らず、人種・民族的なマイノリティーや女性、性的マイノリティー、障害者ら多様な人材が大麻業界で活躍できるよう大麻企業のデータベースなどの情報を提供をしている。
このように、大麻業界で成功した多くの起業家は自分たちの経験や知識を新参組にシェアする使命を感じていると、ホワイトは言う。「大麻は肌の色を問わない。特定の人種や階層に限らず、難病の患者も含め多様な人たちが大麻を使用している」
顧客も多様なら、供給側も多様。多様な人々や価値観を包み込む懐の深い産業に育ってほしいと、彼女は願っている。
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