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中国ビジネス英バーバリー、ウイグル問題めぐり中国人気女優チョウ・ドンユィがアンバサダー契約破棄
新疆ウイグル自治区のウイグル族人権問題を巡る英国と中国の対立の影響が、英ファッションブランドのバーバリーに及んでいる。写真はニューヨークで2019年3月撮影(2021年 ロイター/Carlo Allegri)
新疆ウイグル自治区のウイグル族人権問題を巡る英国と中国の対立の影響が、英ファッションブランドのバーバリーに及んでいる。中国人女優が同社との契約を打ち切った他、中国の人気ビデオゲームでは、同社の象徴的なチェック柄デザインが削除された。
中国外務省は26日、新疆ウイグル自治区に関する「うそと偽情報」に対応し、英国の4団体と9人の個人を制裁対象に指定したと発表した。英国が同自治区での人権侵害を巡り、欧州連合(EU)や米国とともに中国に制裁を発動したことへの対抗措置。
バーバリーは「持続可能なコットンの生産」を目指すNGO団体「ベター・コットン・イニシアティブ(BCI)」に加盟している。BCIは昨年10月、人権問題を理由に新疆ウイグル自治区で生産される綿の承認を保留にすると発表した。
中国人女優のチョウ・ドンユィ(周冬雨)さんは、バーバリーとのブランドアンバサダー契約を打ち切った。同氏のエージェンシーによると、バーバリーが新疆ウイグル自治区で生産される綿について明確なスタンスを公表していないことが理由という。
また、中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の人気ゲーム「王者榮耀」では、キャラクターの衣装からバーバリーの象徴的なチェックデザインが削除された。短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の同ゲームの公式アカウントで明らかになった。中国のネットユーザーからはこれを歓迎する声が上がっている。
ウイグル族の人権問題を巡り中国のソーシャルメディアを中心にH&Mやアディダス、ナイキなど海外のアパレル企業への批判が広がっている。これらの企業はこれまで、中国最大の綿生産地である新疆ウイグル自治区の労働条件の問題に懸念を示している。
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