パンデミックの今こそビジネスを始める好機──米著名起業家マーク・キューバンの提言
THE CONTINUING EDUCATION OF MARK CUBAN
■排除すべきものは何か
特許全般、それに許認可だ。ルイジアナ州だったか、他人の髪を洗うのに免許が必要で、200時間ものくだらない実地研修を受けなければならないところがあるが、まさにばかげている。
ダラス市では、会社を起こすにはまずインターネットにつないでいくつかの書類に記入して、ボタンを押し、クレジットカード情報を入力して99ドル払うだけでよかったはずだ。そんな感じにビジネスから厄介事を取り除かなければならない。くだらない許認可は、守られる必要のない人々を守るためにある。
■起業したきっかけ
あまりに仕事熱心でやる気満々だったせいで、上司に疎まれてクビになった。当時は仕方なかったんだ。最初の3つは長くて9カ月......。それで自分で起業するしかないと気付いた。当時は寝室3部屋のアパートに男7人で住んでいて、大学を卒業した年の失業率は10%を超えていた。そんな状態が何年か続いて、簡単には仕事にありつけそうになかった。
■起業家になるには
生まれながらの起業家もいる。私がそうで、生まれつき起業のこつが分かっていた。とにかく売って売って売りまくっていた。売ることができれば起業家になれる。会社をつくって、売るのが得意なものを売ればいい。だがそうじゃない場合は、ビジョンがあって、やり遂げるための努力も惜しまないなら、準備が大事だ。時間をかけて学ぶ必要があるが、大抵はやりたがらない。
つまり起業できる可能性は誰にでもある。それでも「自分はどんな会社を始めたいか」と考えているようでは、まだ早い。「何をしたらいいでしょうか」と誰かに尋ねたり、「自分はこの会社を始める準備ができているか」と自問したりするうちも、まだだ。「参入できて取引先さえ見つかれば、この件についてはこの会社やこの会社より詳しい」と思えるなら、準備OKだ。
■中国をたたき出せ
中国で生産しても構わない。だが、中国で生産しなくても済むように、何としても彼らを負かすべきだ。(出演中の投資番組の起業志願者に)「中国生産を勧める気か」と視聴者から批判されるが、そうじゃない。これまで私が製品を製造するときはどれも、まずアメリカで製造しようとした。ただし今はやり方を変えて、国内製造をする米企業と協力するようにしている。ロボット関連のコストが下がり、ソフトウエアが向上しているからだ。
ロボットは人間に比べればまだ手先が不器用で、できないこともあるが、それでも中国企業をたたき出せるくらいにならなくては。現状ではアメリカで生産するだけでグローバルに渡り合うのが難しくなる。
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