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自動車EU、トヨタら推す「コネクテッドカー」WiFi案を棄却 サムスン、ファーウェイらの5G採用へ
EU各国はインターネットにつながる車の通信規格を巡り、欧州委員会のWi─Fiベース案を否決した。独ボンで3月撮影(2019年 ロイター/Wolfgang Rattay)
欧州連合(EU)各国は4日、インターネットにつながる車の通信規格を巡り、欧州委員会のWi-Fi(ワイファイ)ベース案を否決した。 BMWやクアルコムが支持する5世代移動通信ネットワーク(5G)に軍配が上がり、実現に道を開いた。
どちらの技術がより優れ、安全かを巡り自動車やハイテク業界の見方が分かれていた。EU当局者によると、有力自動車産業を抱えるドイツとフランス、イタリアなど21カ国が欧州委の提案に反対票を投じた。
Wi-Fiベースの規格を支持するのは、フォルクスワーゲンとルノー、トヨタ自動車、NXPなどだ。
ダイムラーやフォード、PSAグループ、ドイツテレコム、エリクソン、華為技術(ファーウェイ)、インテル、サムスン電子などは5Gベースの規格導入を訴える。
欧州委は5Gと異なり、Wi-Fiはすでに利用可能で、道路安全に資すると主張。ブルツ欧州委員(運輸担当)は採決後に声明を出し、「加盟各国と引き続き連携して、懸念に対応するほかふさわしい方向性を探っていく」と述べた。
5Gの支持者らは、エンターテイメントや交通データ、ナビゲーションなどの幅広い応用分野を前面に打ち出す。
欧州電気通信事業者協会(ETNO)は採決結果を歓迎し、「自動車業界は道路上のユーザーやドライバーを守る最高技術を自由に選択できる」と評価した。
業界団体の5GAAは採決結果について、技術の中立性が重要だと欧州委に強いシグナルを送る内容と指摘した。
EU閣僚らは8日、Wi-Fi案を正式に拒否する見通しだ。
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