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NBAが巻き起こすビッグデータ革命

2013年11月15日(金)08時00分
ケビン・メイニー

無限の可能性が広がる

 例えばシューズにICチップを付けて、試合中の自分の動きと憧れの選手の動きを比較することも可能になるかもしれない。またはヘッジファンドのアナリストあたりがこうしたデータを分析すれば、精度の高い勝敗予想ができそうだ。スポーツ賭博のブックメーカーはおちおちしてはいられない。

 一般のファンにとって画期的なのは、実況画面に可視化されたデータを表示すれば、今までの何倍も試合を楽しめるようになること。テレビの普及以降、スポーツ観戦のスタイルが大きく変わるような新技術は登場していなかった。だがこれからは試合の見方がぐっと深まる。ビッグデータとブロードバンドのインターネット、タブレット端末の3つがそろえば、個々の選手やチームについて気になる情報をチェックしながら高解像度の画面で試合を観戦できる。

 好都合なことに、今ではこうした双方向型技術を使いこなせる世代が育っている。ニューヨーク・タイムズの最近の調査では、ミレニアル世代(15〜35歳)の34%が映像はほとんどオンラインで見ると答えた(ベビーブーム世代はわずか10%)。

 想像してみてほしい。実況画面にデータが次々に表示される。ある攻撃パターンで選手がどう動くべきかを示した線が画面に出れば、眼前で繰り広げられているプレーが的確かどうか判断できる。データに基づく詳細かつ客観的な解説付きで試合の展開を追えるというわけだ。

 ビッグデータの可能性は無限だ。これからは、スポーツをオンラインではなくテレビで観戦するのは......いわばラジオでボクシングの試合中継を聞くようなものになるだろう。

[2013年11月12日号掲載]

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