最新記事

ネット

フェースブックがあなたの人生をぶち壊す

借金取りに追われ、就職できず、鬱になりやすい?──ユーザー5億人を突破した世界最大のSNSに潜む10の落とし穴

2010年7月22日(木)17時27分
ケート・デイリー

使用上の注意 「プライバシーの侵害以外にも様々な副作用が考えられます」 Thierry Roge-Reuters

 7月21日、フェースブックの登録者数が5億人を突破した。この節目は重要だが、無意味でもある。世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の巨大さを世界に思い起こさせるニュースではあるが、そもそもそんなことを思い出す必要はないのだから。

 フェースブックが多くのアメリカ人の日常生活の一部になっているのは間違いないが、日常生活にどんな影響を及ぼしているかはまだ未知数。もちろん、健康を増進したり、人付き合いから写真の共有まで生活のあらゆる側面を便利にしてくれることはわかっている。

 だが、その一方でユーザーの個人情報がフェースブックの提携企業に流出しているという疑惑をはじめ、さまざまな負の側面もある。フェースブックが私たちの生活にもたらしかねない10の弊害を挙げた。

1)生みの親が見つかる

 いいニュースの場合もあるが、そうでないこともある。プリンス・サガラは元夫が10年以上前に連れ去った子供たちをフェースブックで見つけた。サガラは子供たちに連絡を取り、親権を手に入れたが、父親に育てられた子供たちは彼女との関わりを拒んでいる。

 15歳になった息子をフェースブックで発見した女が、我が子を性的に虐待し、懲役9〜30年の判決を受けたというひどい話もある。
 
2)債権者に監視される

 債権者はフェースブックを使って借り主の動向をウォッチしつつ、担保に取れそうな資産がないか目を光らせている。彼らはまずフェースブックを読み込んで、あなたにカネを貸して大丈夫か判断する。返済が滞ると、あなたの書き込みをモニタリングし、資産がないかチェックできる。

3)保険会社に支払いを拒まれる

 鬱病を患い、労災補償を受けていた女性が、フェースブックに笑顔の写真を投稿したために保険金の支払いを中断された。写真から判断して、職場に復帰できる状態だというのが保険会社の言い分。今では多くの弁護士が、フェースブックに情報を公開しすぎないようアドバイスしている。

4)離婚の際に不利になる

 離婚弁護士にとってフェースブックは非常に便利なツールだ。クライアントの配偶者のページをチェックして、不倫や嘘の証拠を見つける(離婚申し立ての5件に1件で、フェースブックが証拠として提出されているという報告もある)。子供と一緒に過ごす代わりに、フェースブック上のバーチャル農場ゲーム「ファームビル」で遊んでいたことを元夫に知られてしまい、親権を失った女性もいるという。

5)鬱になりやすい

 ストニーブルック大学(ニューヨーク州)の研究者らがティーンネイジャーの少女を調べたところ、一日の大半を友人との人生相談に費やしている少女のほうが鬱になりやすい傾向があることがわかった。他人のゴシップや自分の悩みについて考えすぎると、気分が落ち込むのだろう。SNSのユーザーは友人と常につながっており、不健康なおしゃべりに没頭しやすいと、研究者は示唆している。

6)就職できない

 イギリスのある調査では、アンケートに回答した企業経営者の半数が、就職希望者の未熟な面をフェースブック上で発見した場合、採用を見合わせると回答した(酒におぼれたエピソードや不法行為の写真、文法の間違いなど)。

7)家族に秘密がばれる

 口の軽い友人があなたの秘密をコメント欄に書き込んでしまうかもしれない。また、マサチューセッツ工科大学の学生が開発したアルゴリズムを使うと、同性愛者の友人の数を分析することで、どのフェースブックユーザーが同性愛者かを見分けられるという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザの砂地から救助隊15人の遺体回収、国連がイスラ

ワールド

トランプ氏、北朝鮮の金総書記と「コミュニケーション

ビジネス

現代自、米ディーラーに値上げの可能性を通告 トラン

ビジネス

FRB当局者、金利巡り慎重姿勢 関税措置で物価上振
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中