コラム

患者が亡くなることもある──失礼な言動が他人に及ぼす悪影響/show up(振る舞う)

2019年02月06日(水)11時15分

www.ted.comより

【今週のTED Talk動画】
Why being respectful to your coworkers is good for business
https://www.ted.com/talks/christine_porath_why_being_nice_to_your...

登壇者:クリスティーン・ポラス

経営学者のクリスティーン・ポラス教授が大学生だった頃、長年無礼な上司の下で働いていた彼女の父がストレスの結果入院した。そして、彼女自身が大学卒業後に入った職場も、失礼な言動で溢れていたという。それを機に、ポラス氏は職場における無礼な言動の影響について関心を持ち、その後、大学院に入ってそのテーマを研究した。

この興味深いTEDトークで、ポラス氏がその調査結果について紹介している。自分の無作法が周りで働く人に悪影響を及ぼすというのは、直感でも分かりそうなものだが、彼女が紹介する影響の具体的な証拠はあまりに印象強く、驚くべきものである。

調査結果や関連するエピソードには説得力があり、なかでも最も印象的なのは、医者の無礼な態度の結果亡くなってしまった患者の話。生産性の向上が注目されている現在、職場における無作法がどのように生産性に害を与えるかを意識することは大切である。

キーフレーズ解説

show up
振る舞う
(動画0:28より)

show upはもともと、どこかに現れることや姿を現すという意味を持ちます。最近アメリカではその延長線として、どのように振る舞うか、どのように行動するか、どんな態度を取っているかという意味を持つようになってきました。

show upは特に良い形で振る舞うことを示すことが多く、誰かの頼りになるということも意味します。このTEDトークでポラス氏が指摘するのは「how you show up and treat people means everything(どのように振る舞って人を扱うかが全てを意味する)」ということです。

ここでいくつかこの表現を用いた例を紹介します:

●How leaders show up has a significant impact on their teams.
(リーダーがどのように振る舞うかが、その下で働いているチームに大きな影響を与えます)

●Showing up for someone is more than just being physically present, it's about showing kindness and paying attention to them.
(誰かのために頼りになるというのは、物理的にその場にいるだけでなく、その人に親切でありながら彼らに注意を払っていることを意味します)

●'Showing up for yourself' is another way of saying loving yourself and taking good care of yourself.
(「自分の頼りになる」というのは、自分を愛して自分の体を大切にするということを示すもう一つの言い方です)

プロフィール

ロッシェル・カップ

Rochelle Kopp 異文化コミュニケ−ション、グローバル人材育成、そして人事管理を専門とする経営コンサルタント。日本の多国籍企業の海外進出や海外企業の日本拠点をサポートするジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社の創立者兼社長。イェ−ル大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営大学院修了(MBA)。『シリコンバレーの英語――スタートアップ天国のしくみ』(IBC出版)、『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』(クロスメディア・パブリッシング)、『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』(アルク)など著書多数。最新刊は『日本企業がシリコンバレーのスピードを身につける方法』(共著、クロスメディア・パブリッシング)。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む

ビジネス

SOMPO、農業総合研究所にTOB 1株767円で

ワールド

中国、米国の台湾への武器売却を批判 「戦争の脅威加
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story