- HOME
- コラム
- プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
- 豪雨災害報道で拭えない「不自然な印象」
豪雨災害報道で拭えない「不自然な印象」
3つ目は、避難が遅れる原因の分析です。文化的に「この目で見ないと信じない」という傾向が日本社会には残っています。だからこそ、早めの避難について強く呼びかける必要があるわけですが、避難が遅れるのはそうした文化の問題ではないように思います。
例えば高齢者の場合は、避難所生活をすることで健康に大きな負担がかかるわけで、そうなると「できれば自宅に留まりたい」という反応が出るわけです。現場の方々は理解していて、状況に対して誠実に向き合っているわけですが、そこを何とか健康への負荷にならないように避難へ誘導するのはノウハウの問題、そしてコストの問題になります。そのあたりの議論は十分ではないように思われます。
4つ目は、雨が上がった後の問題です。これだけの雨量が累積している中では、この後、全く降水がなくても九州南部では土砂災害の危険は続きます。また、わずかな雨が降ったり、震度3ぐらいの地震が起きたりしても大きな災害になることが考えられます。ということは、雨が止んでも、むしろ警戒は強めなくてはならない地区はあります。そこをキッチリ報道しなければならないでしょう。
5つ目は、気候変動の問題です。例えばプエルトリコでのハリケーン「マリア」による壊滅的な被災を受けて、アメリカでは「グリーン・ニューディール」という排出ガス削減政策の議論が始まっています。ですが、日本の場合は、これだけ異常な気象災害が頻発して、明らかに気候に変動が生じているのに、排出ガス削減論議は盛り上がりません。
日本では参院選が始まりましたが、新たに結党された左派政党の公約に「エネルギーの主力は火力」という言葉が出てくるなど、まったく信じられない状況があるわけです。以前とは違って、排出ガス問題では中国の方が、省エネ化、エネルギーの多様化、EV化などを率先して進めています。日本でも、今回の豪雨など異常な気象現象を受け止める中で、温暖化の議論を再スタートする必要があるのに、メディアはまったく取り上げないという点にも、違和感を覚えざるを得ません。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショックの行方は? 2025.11.05
高市早苗新首相と田原総一朗氏との浅からぬ因縁 2025.10.29
国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の「保守性」 2025.10.22
日本の次期首相に絶対的に必要なのは「円を守り抜く信念」 2025.10.15
いよいよ現実のものになった、AIが人間の雇用を奪う時代 2025.10.08
AI就職氷河期が米Z世代を直撃している 2025.10.01
クールジャパン戦略は破綻したのか 2025.09.24
-
外資系製造業大手の総務アウトソーシングのアシスタン 五反田駅
株式会社スタッフサービス ITソリューション
- 東京都
- 月給23万5,000円~
- 正社員
-
外資系メーカー「フィールドサービスエンジニア」残業月10h以内
日本フェルスター株式会社
- 東京都
- 月給23万5,000円~35万円
- 正社員
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/東京メトロ日比谷線虎ノ門ヒルズ駅から徒歩2分/web系SE・PG/港区虎ノ門
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
インフラ系コンサル/外資IT大手企業/年休120日以上/年収1000万円も可/社内カフェあり/青山オフィス
日本オラクル株式会社
- 東京都
- 年収420万円~1,000万円
- 正社員






