ブレインパッド、ユニ・チャームの社員専用生成AI利用環境「UniChat」の精度改善と、利用部門の拡大を支援
「UniChat」は、国内約3,000名の同社社員が利用するチャットツールとして、まずは法務部門に対する問い合わせの効率化をテーマに活用が始まりました。ブレインパッドの支援による「UniChat」の精度向上により、法務部門宛の問い合わせ件数は、1人あたり月100件から最大で月3件に減少し、問い合わせ対応に要する時間も1人あたり月17時間から最大で月30分にまで短縮される効果が出ています。また、この効果をふまえて、経理や人事、情報システム等の複数の部門に利用が拡大しています。
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■ブレインパッドへの依頼の決め手は、マルチベンダー対応が可能な点と伴走支援の実績
ユニ・チャームは2023年8月に、情報システム部が主導し、テキスト生成が可能な「UniChat」を開発しました。同年秋頃より、更なる拡張性を求めて「RAG」(検索拡張生成、*1)に加えて「ロングコンテキスト(*2)」や「音声・画像・動画等のテキストデータ以外の入出力」など、生成AIを更に活用するための調査を開始しました。この調査において、同社は「AIの学習のために外部データを利用できること」や「複数部門へ展開できること」を重視しており、調査の結果、生成AIのビジネス活用に関する豊富な知見とマルチモーダルAI(*3)の導入プランを有するブレインパッドに支援を依頼することを決定しました。
ユニ・チャームは、この決定に際し、ブレインパッドならベンダーロックイン(*4)がなくマルチベンダーでの対応が可能である点に加えて、同取り組みを主導するユニ・チャームの情報システム部が数名程度の少人数組織であることから、組織に伴走して支援する実績が豊富である点を評価しました。
■法務部門への問い合わせ件数を最大で97%削減 ー本取り組みの成果ー
ユニ・チャームの法務部門に寄せられる質問には初歩的なものや簡易的なものも多く、従来は、それらの対応に要する時間がコア業務を圧迫している状況にありました。そこでまずは、1人あたり月100件程度、約17時間をかけていた問い合わせ対応業務を効率化すべく、2023年12月からブレインパッドの支援を得て、Google Cloud の Gemini とVertex AI Agent Builder を活用したPoCを開始しました。このPoCでは、法務部門と情報システム部との連携により、AIの根幹となるデータの整備を進めた結果、質問に対する正答率が90%を記録し、想定を超える効果を創出できました。同時に、社員の利便性の向上を最優先に位置付け、チャットの利用状況の分析結果を元にしたUIの改善も進めていきました。
このような半年間のPoCを経て、2024年8月より「UniChat」の本番利用が開始されたところ、法務部門1人あたりの問い合わせ件数は最大で月3件に激減し、対応に要する時間も最大で月30分に縮小され、劇的な業務効率化を実現することができました。
■今後の展開
ユニ・チャームは、法務部門における成果をふまえ、2024年10月からは人事や経理、情報システム、知財など複数の部門へ「UniChat」の利用を拡大しています。さらに、特定部門への問い合わせだけでなく、どの部門に尋ねて良いのかわからない場合にも回答が得られる全体横断型のチャット窓口を設けたことも功を奏し、「UniChat」の利用率は以前の約1.3倍に上昇しました。
ユニ・チャームの社員は、「UniChat」を活用することで、問い合わせ先の部門から回答がくるまで待つしかなかった時間を短縮できるようになり、会社全体の業務効率化にもつながっています。
また、ユニ・チャームの知財部門においては、社内データだけでなく、特許庁が提供するデータソースを「UniChat」に学習させ、要約の生成および資料化までの自動化を実現しました。これにより「UniChat」が特許情報を利用した新規開発を担えるようになるなど、今後は、業務効率化だけでない新たな価値を生むための生成AI活用にも挑戦していきます。
●ブレインパッド 代表取締役社長 CEO 関口 朋宏からのコメント
ユニ・チャーム様に、当社の技術力と特定のソリューションに縛られず最適な解決策を提供する姿勢をご評価いただき、パートナーに選定いただいたことをたいへん嬉しく思います。ユニ・チャーム様が「UniChat」を多くの部門に展開できている理由は、生成AIの活用を一部の領域からスモールスタートし、徐々に効果を拡大させたことにあると思います。社内向けの生成AI利用環境の導入は、実際にそれを利用する社員の声とダイレクトに向き合う必要があります。今回、同社が外部パートナー任せにせず、社内の情報システム部が主導し、現場と真摯に向き合いながら利用範囲を拡大していったことが、このような成果創出のポイントになったと考えています。
当社も引き続き、ユニ・チャーム様と協働しながら、生成AI活用によるビジネス成果の創出に貢献していきたいと思います。
ブレインパッドは、「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる」をビジョンに、本質的な企業体質の強化に繋がるデータ/AIの活用に取り組んでいます。当社は今後も、日本企業のデータ/AI活用のパートナーとして、日本のデジタル競争力の向上に貢献してまいります。
(*1)「RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)とは、LLM(大規模言語モデル)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。
(*2)一度に長い文章(ロングコンテキスト)をLLMに渡しても理解できるようにすると、使いやすさ向上やエラーの減少、柔軟性の向上などの多くの利点が期待される。
(*3)「マルチモーダルAI」とは、異なる種類の情報をまとめて扱うAIのこと。画像・音・テキストなど単一種類の情報から学習するのではなく、複数の種類の情報を一緒に学習して、より高度な情報処理を行う。
(*4)「ベンダーロックイン」とは、企業や組織がシステム構築などにおいて特定のベンダーだけに依存した結果、そのベンダー以外の製品やサービスへの移行が困難となる状況に陥ること。
■ご参考情報
●株式会社ブレインパッドについて(https://www.brainpad.co.jp/)
(東京証券取引所 プライム市場:証券コード3655)
本社所在地:東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティーキューブ
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 CEO 関口 朋宏
資本金:597百万円(2024年6月30日現在)
従業員数:545名(連結、2024年6月30日現在)
事業内容:データ活用を通じて企業の経営改善を支援するプロフェッショナルサービス、プロダクト サービス
■お問い合わせ先
●製品・サービスに関するお問い合わせ
株式会社ブレインパッド
e-mail:info@brainpad.co.jp
*Google Cloud および Gemini ならびに Vertex AI は Google LLC の商標です。
*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
以上
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