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フランス人と行く!四国お遍路

どのお寺にもユニークな特徴があり、弘法大師ゆかりの逸話がある

2016年01月15日(金)10時55分

 Fさんもそのことが気になったようで、お坊さんに質問。すると平時と変わらないとの答えだ。しかし、いくら竹林寺が素晴らしいお寺といっても、車の駐車スペースがほとんどなく、細い道路でしか入ってこられないような山の上になぜこれほど人が集まるのだろうか?

 もう少し詳しく聞いてみると、どうやら竹林寺にはお寺としての役割があるだけでなく、地元住民の交流の場として地域社会に溶け込んでいるのだという。

 確かに、参拝者だけでなく、立ち話をしている人もいればデートをしているカップルもいる。それが当たり前の光景としてずっと変わらずに続いてきたのだ。お遍路が生きている日本文化を体験できる場と言われる理由には、このような光景が大きな意味を持っているのではないだろうか。

 それを聞いていたFさんは、「こんな光景を、外国人は日本観光に求めているのかもしれない......」と静かに納得していた。実際、竹林寺には今までに訪れたお寺以上に多くの外国人お遍路さんがいたように感じた。

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「苔がこんなにあるなんて素敵!」とFさんもはしゃいでいた竹林寺参道

 そうして3日目最後のお寺を後にし、本日の宿へと向かった一行。第五十一番札所の石手寺(いしてじ)近くにある道後温泉街だ。私たちはそこで、Fさんが「最高のパフォーマンス!」と大はしゃぎすることになる伝統芸能と出合うことになる。

 それは、松山市の郷土芸能である「伊予之水軍太鼓」だ。瀬戸内海で大暴れした河野水軍の戦いを表現した演目で、腹に響く音と演奏者たちのたくましい姿に会場中がすっかり引き込まれていた。

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私も思わず聞き入ってしまった、郷土芸能の「伊予之水軍太鼓」

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プロフィール

山崎勇歩

ライター、デザイナー。1987年千葉生まれ。武蔵野美術大学卒。外資系広告代理店でのクリエイティブ職を経て、現在に至る。

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