驚くべき政府、メディア、国民
ニューヨークの病院前で防護服が足りない、と訴える医療従事者たち Mike Segar-REUTERS
<報道によれば、政府はマスクや防護服、医療機器の増産を企業に求めたという。今まで何をやっていたのか?>
驚いた。
今朝の日経新聞1面では、政府がマスクや防護服、医療機器を増産するよう企業に求めた、という記事が。
今日は4月16日。これは2月にやっていると思っていた。これこそ真っ先にやることであり、政府がやるべきことであり、できることだ。
なぜだ。
しかも、ダイヤモンドプリンセスという経験がありながら、なぜそれを生かせなかったのか。
首相、大臣のブレーンたちは何をしていたのか。
医療での遅れも目立つ。軽症患者の自宅、ホテルでの隔離、病院の分業、分離、これらは最重要であり、真っ先にやるべきだったが、遅れた。これは理解はできる。これまでの医療行政の立て付けから行って、制度に対する考え方を変える必要があったからだ。この柔軟性のなさは課題だが、そういう失敗、出遅れは理解できる。また、検査の方針、クラスター対策も、早めに二正面作戦に移るべきだったのが、最初のやり方に固執するのも、失敗だが、理解できる。また、日本医師会という団体が手ごわすぎて、いつも厚労省の政策が妨害されるのは大変残念だが、事実としてある。オンライン診療を2月いや3月になってもつぶしたのは医師会だし、4月に行うこととなってからも、例外中の例外と念を押す。緊急事態宣言を求めたが、その陳情書の中身は、病院に休業補償をしろという唖然とする内容。しかし、仕方がない。それが現実だ。これを打破してほしいが、打破できないのは理解できる。
抵抗勢力もいないのに
しかし、一番理解できないのは、産業政策、経済官庁による動員政策だ。
なぜやらない?やらなかった?
布マスクの生産を依頼し、400億円あまり予算が自由に使えるなら、医療崩壊を守るための病院用マスク、防護服の生産を真っ先に全額出してもやるべきだったし、私もうかつだったが、当然やっているものだと思っていた。
それをいまさら。しかも、在庫買い上げというが、設備投資も政府が出したらよい。なぜそれができない?
医療行政と違って、反対する団体はいない。抵抗勢力はいないのだ。やればいいだけなのに、なぜだ?
布マスクのアイデアは経済官庁の官僚のものだと報道されている。そのアイデアを出す前に出すアイデアがあるだろ。アイデアでもなんでもない、誰でもやると当然思っていることだ。
理解できない。
これをメディアも求めなかったし、国民も緊急事態宣言や休業補償、金を配れというばかり。
理解できない。
そして、メディアも知事と官邸のせめぎあいばかりに関心があり、国民も、そのパフォーマンス競争に勝った知事たちを賞賛しているようだ。あほなのか。
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