最新記事
シリーズ日本再発見

【動画完結】日本通外国人が激論!『はじめてのおつかい』評、日本の治安、子育て、内向きな若者たち

WHY WE LOVE LIVING IN JAPAN

2022年10月12日(水)11時25分
ニューズウィーク日本版編集部

■西村 でも、フランスの若者がいま行きたい国といえば日本です。漫画やアニメのおかげで日本のイメージはすごく良くなった。フランスは世界第2の漫画市場で、日本語は英語の次に最も翻訳されている言語です。

■周 日本は平和で暮らしやすいけど、若者は内向きになっているよね。

magSR20220920livinginjapan-3.jpg

暮らしやすいはずの日本だが若者たちには元気がない HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

■西村 日本にとって過去15年でいくつかの危機があり、そのほとんどは外国からもたらされた。日本経済が良くなってきた頃、2008年にリーマン・ショックが起こり、コロナ禍や今のウクライナ戦争もそう。外国にはリスクがあるというイメージが相当強い。

■石野 メディアがもう少し外国のちゃんとした情報を伝えるべきだと思う。その情報を基に、親が子供に「あの国は行っちゃいけない」などと言うこともある。

■ラズロ 外国に行ったらチャンスを逃しちゃう、冒険などせず長いものに巻かれようと思う人もいますね。そうではないというメッセージを伝えるには、外国で得た知恵や知識を日本企業が高く評価すればいい。

■西村 子供が冒険しないのなら、それは大人のせい。どれくらいならリスクを許容できるか、子供に教えないといけない。日本人にとっての暮らしやすさは安心・安全・安定にあると思うが、リスクを取ることも人生には必要なこと。

■ラズロ 30年くらい前から、「自分の責任で自由に遊ぶ」という特別な公園が日本のあちこちにできた。世田谷区が最初です。多くの公園ではボール遊びや木登りは禁止だけど、そこでは火をおこす、穴を掘る、木の上に小屋を作るといったことができる。うちは子供を通わせたが、とてもいい試みなのでもっと広がるといいなと思う。

「自分の国を出て、一層面白い人になってほしい」

――最後に聞きますが、皆さんはこれからもずっと日本に住み続ける?

■ラズロ 私はどちらかというと、どこか第三の国に行きたい気持ちがある。世界は広いので、せっかくだからリスクも少し負って。

■周 私は日本に骨をうずめると決めた。冗談だが、庭の灯籠の下に骨をうずめようかなと。今まで散々お世話になった恩返しの意味もあるし、子供たちはみんな日本国籍だから見守ってやりたいなあと思う。

■石野 イランに帰ることは150%ない。日本国籍も取っているし。いま言える答えでは「日本にいます」。イランを出て20年もたって、状況が変わりすぎてついていけない。

■周 私もそうだね。

■石野 娘が独り立ちできたら、その時は第三の国に行ったり、ちょっと冒険できたらいいなあと思う。でも娘が大きくなるまでは間違いなく日本にいる。やっぱり娘の国ですからね、ここは。

■周 老後はやっぱり日本ですよ、長生きするし。

■西村 私はフランスに帰国するつもりは全くない。ただ、子供たちが将来どうするかはそれぞれの選択だと思う。もし彼らが「インターネットで全世界を見ることができる。出て行かなくてもいい」と言ったら大反対します。言語、文化、風景の全てをネットで理解するのは不可能。自分の肌で感じない限り分からない。

■ラズロ それに自分の国を出て、いろんなところでいろんな壁にぶつかって、問題を解決できると人はもっと面白くなる。日本人の若者ももっと外国に行って、一層面白い人になってほしいと思いますね。

※動画を1本追加・更新しました(2022年9月27日22:00)。動画をもう1本追加・更新しました(2022年10月5日19:35)。動画をもう1本追加・更新しました(2022年10月12日11:25)。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

三菱自、30年度に日本販売1.5倍増へ 国内市場の

ワールド

石油需要、アジアで伸び続く=ロシア石油大手トップ

ワールド

イタリアが包括的AI規制法承認、違法行為の罰則や子

ワールド

ソフトバンクG、格上げしたムーディーズに「公表の即
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中