コラム

COVID-19を正しく恐れるために

2020年06月24日(水)08時00分

ニューズウィーク日本版ムック「COVID-19のすべて」は新型コロナを理解するためのグラフィックが満載

<われわれは現在進行中の「第二次大戦以来の歴史的大事件」とどう向き合うべきか? そのヒントが満載の本誌特別編集ムック「COVID-19のすべて」が6月24日発売になる>

新型コロナウイルスの感染拡大は、その広がりの規模と人類1人1人のくらしに対する影響の大きさ、という点で第二次大戦以来の歴史的大事件です。われわれは今、世界史の教科書に9.11同時多発テロより大きく載るだろう出来事を目の前にしています。

かつてペストやコレラ、インフルエンザの大流行が世界のありようを変えたように、新型コロナウイルスも生活の様式や社会のシステム、経済の仕組み、そして国際社会の力関係に大きな変化を迫っています。個人としていかに防ぐかだけでなく、この感染症が社会と世界をどう変えるのかまで正しく理解しないと、この病気に対応できたとは言えません。

ニューズウィーク日本版が6月24日にムック「COVID-19のすべて」を発行するのは、新型コロナウイルス、そして新型コロナを含む感染症とは何かについて正しく理解しつつ、この病気がつくり出す新たな世界の姿を読者にいち早く知ってもらうためです。

第1章「人類vs新型コロナウイルス」は新型コロナウイルスの病原菌としての特質と感染力の特徴について、ジュネーブ在住の感染症研究の第一人者・國井修氏が図解とQ&A方式で分かりやすく解説します。第2章「人類vs感染症」では感染症と人類の戦いの歴史に加え、結核やエイズなど日本人の身近に迫った病気や、エボラ出血熱など世界を恐怖のどん底に叩き込んだ恐ろしい世界の感染症とその知られざるストーリーを紹介します。

また第3章「新型コロナが変えた世界」には、脱グローバル化する世界の大きな流れを踏まえつつ、「コロナ発祥国」中国の台頭▼インバウンド頼みだった日本経済が迫られる変容▼ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツら世界的エコノミスト9人による世界経済の展望――といった記事を掲載します。

このムックを通じて、ニューズウィーク日本版編集部が読者に望むのは「多角的に新型コロナとその問題をとらえること」です。正しいうがい・手洗いは防疫上必須ですが、それだけではコロナの影響からは逃れきれません。この感染症の本質と背景、影響を正しく理解して初めて、21世紀最大の事件を克服したと言えるでしょう。

この一冊がみなさまのいっそうのコロナ理解と感染防止の一助になることを願います。

――長岡義博(編集長)

202006NWcovid19Mook_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

SPECIAL ISSUE「COVID-19のすべて」が好評発売中。ゼロから分かるCOVID-19解説/歴史に学ぶ感染症の脅威/ポスト・パンデミックの世界経済......。錯綜する情報に振り回されないため、知っておくべき新型コロナウイルスの基礎知識をまとめた1冊です。

プロフィール

ニューズウィーク日本版編集部

ニューズウィーク日本版は1986年に創刊。世界情勢からビジネス、カルチャーまで、日本メディアにはないワールドワイドな視点でニュースを読み解きます。編集部ブログでは編集部員の声をお届けします。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、8月下旬から少なくとも8200万ドルの

ビジネス

クーグラー元FRB理事、辞任前に倫理規定に抵触する

ビジネス

米ヘッジファンド、7─9月期にマグニフィセント7へ

ワールド

アングル:気候変動で加速する浸食被害、バングラ住民
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story