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「しゃもじ」批判では分からない...岸田首相「電撃訪問」、ウクライナから見た「効果」
キーウ近郊のイバンキフ村に届けられた日本の車いす(3月15日、FFU提供)
<「必勝しゃもじ」を野党は批判したが、日本の首相としてウクライナを訪れたことには、国内企業に行動を促す意味でも大きな意味が>
[ロンドン]今年、主要7カ国(G7)の議長国を務める岸田文雄首相は3月21日、ウクライナを電撃訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。日本の首相が戦地を訪れるのは戦後初めてのことである。岸田首相はロシア軍による虐殺現場のブチャを訪れ、犠牲者に花を手向け、サバイバーたちの声に耳を傾けた。
岸田首相が「必勝」と書かれた地元・広島名産、木製の「必勝しゃもじ」をゼレンスキー大統領に贈ったことについて、立憲民主党の石垣のりこ氏は「選挙やスポーツではない。日本がやるべきことはいかに和平を行うかだ。戦場に行って『必勝』というのはあまりにも不適切だ」と批判した。野党から集中砲火を浴びた。
「戦争中の緊迫した国家の元首に対して、緊迫した外交の中で贈るのは違和感が拭えない。敵を召し捕るという文脈で贈ったということならば、ウクライナに『もっと戦え』『必ず勝て』とメッセージを送るということなのか。二重に違和感がある」(立憲民主党の泉健太代表)。「お気楽過ぎるんじゃないか」(日本維新の会の馬場伸幸代表)
宮島観光旅行まとめブログなどによると、世界文化遺産の厳島神社がある宮島は江戸時代から「神のご加護がある」としゃもじが名産となり、明治時代、日清、日露戦争に赴く兵士が厳島神社を訪れ、しゃもじを奉納するようになった。「敵を召し捕る(飯とる)」と縁起を担いだからだ。高校野球の広島県代表や、受験、選挙を応援する時に使われるようになった。
G7で一番遅かったウクライナ訪問
これに対し岸田首相は「ウクライナの人々が祖国や自由を守るために戦っている努力に敬意を表したいし、ウクライナ支援をしっかり行っていきたい」と説明した。セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は24日、「これからは、日本からの贈り物として『必勝しゃもじ』がとても喜ばれます。私はまだ持っていませんが」とツイートした。
チェコやポーランドなどの首相に続いて、英国のボリス・ジョンソン首相(当時)がキーウを電撃訪問したのは昨年4月。翌5月にはウクライナ系移民が多いカナダのジャスティン・トルドー首相、6月にエマニュエル・マクロン仏大統領、オラフ・ショルツ独首相、マリオ・ドラギ伊首相(当時)、今年2月にはジョー・バイデン米大統領も訪問した。