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ワクチン効果で「自由への道」を邁進するイギリスの4段階ロードマップ それでも新たな死者は5万4800人に
ロックダウンからの出口戦略を発表したジョンソン首相(2月22日) REUTERS-Leon Neal
[ロンドン発]コロナワクチンの接種者が1700万人を超えたイギリスで2月22日、ボリス・ジョンソン首相が「私たちは今、自由に向かって逆戻りしない旅を続けている」と、3月8日から学校閉鎖やロックダウン(都市封鎖)を段階的に解除していく出口戦略を発表した。
スコットランドの疫学調査でワクチン接種により入院する可能性は85~94%も減ることが確認された。英インペリアル・カレッジ・ロンドンの専門家チームは、出口戦略を急げば来年6月末までに10万人以上が死亡する恐れがあると、経済再開を声高に主張する保守党内強硬派を強く牽制した。
イギリスのワクチン接種者は2月22日時点で1772万3840人(うち2回接種は62万4325人)。100人当たりの接種回数は先進国ではイスラエルの85回に次いで多い26.8回。ちなみにアメリカは18.9回、ドイツ、欧州連合(EU)平均の6回、イタリア5.8回、フランス5.5回だ。
スコットランドでは昨年12月から今年2月までに65万人が米ファイザー製ワクチン、49万人が英アストラゼネカ製ワクチンの接種を受けた。査読前論文によると、1回目の接種から4週間後の時点で入院するリスクはファイザー製で85%、アストラゼネカ製で94%も減っていた。
80歳以上では入院リスクは2種類のワクチンを平均して81%減少していたという。
4段階ロードマップ
ワクチンの有効性がイギリスでの集団予防接種でも改めて確認されたことを受け、ジョンソン首相は記者会見で4段階ロードマップを明らかにした。
■第1段階
3月8日~ 学校や大学の閉鎖解除、対面授業を再開。介護施設の入所者は、検査で陰性が確認され感染防護具を着けた定期的な訪問者1人と面会できる。ピクニックの外出は許され、家族以外の1人とだけ会える。
3月29日~ 6人または2世帯の屋外集会認める。屋外のテニスコートやバスケットボールコート再開。外出禁止を終了。
■第2段階
4月12日~ 美容院、ネイルサロン、図書館、コミュニティーセンター、動物園、テーマパーク、ドライブインシネマ再開。レストランやパブ、バーの屋外営業再開。
■第3段階
5月17日~ 30人未満の屋外集会。屋外のシネマや劇場を再開。6人または2世帯まで屋内集会認める。レストランやパブ、バーの屋内営業とホテル再開。屋内イベントは1千人。屋外イベントは4千人、座席指定は1万人。結婚式の参加者は30人まで。
■第4段階
6月21日~ 社会的距離政策を解除。7月末までにすべての成人に1回目のワクチン接種を終了。9月3日にナイトクラブ再開。