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英変異株で致死率は65%も跳ね上がった 新局面を迎えた対コロナ戦争【コロナ緊急連載】
その分析結果を見てみよう。
・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院 イギリス株感染者の致死率が35%増(検査を受けた120万人が調査対象。死者2583人、このうち384人がイギリス株感染者)
・インペリアル・カレッジ・ロンドン 同36%増
・エクセター大学 同91%増
・イングランド公衆衛生サービス(PHE) 同65%増(イギリス株感染者9万2207人と同数の他株感染者が調査対象)
不揃いの分析結果は何を物語るのか
不揃いの分析結果をどう見ればいいのか。
NERVTAG のメンバーで感染症数理モデルのスペシャリスト、英インペリアル・カレッジ・ロンドンのニール・ファーガソン教授は「60歳の場合、他の株に感染すると1000人に10人が死亡するのに対して、イギリス株では1000人に13人が死亡する恐れがあるということだ」と英メディアに対して解説している。60歳なら致死率は30%アップするということだが、その意味をもう少し見ていこう。
NERVTAG の報告書について、英エジンバラ大学のローランド・カオ教授(獣医疫学・データサイエンス)は次のように語った。「提示された証拠はイギリス株に感染した個人はより高い割合で死亡することを示唆している。死亡の増加は、入院したコロナ患者がより多く死に至るのではなく、より多くの患者が重症化して入院した結果だと説明されている」
「イギリス株は特にロンドン周辺で見られる病院での予想以上に高い逼迫の原因と思われる。従って感染者数の減少を示す最近の結果は朗報であり、イギリス株は都市封鎖など既存の対策によって制御可能であることを示唆している。死亡に関するこれらの結果は、病院の負担が引き続き大きく、より長期間の制限が必要であることを意味している」
英レディング大学のイアン・ジョーンズ教授(ウイルス学)は「ウイルスの感染率が上昇すると致死率が高くなる恐れがある。しかし致死率が1%であろうと1.3%であろうと、少数の人々にとって非常に危険なウイルスであり、回避するのが最善だという事実に変わりはない。回避は封鎖措置を厳守し、ワクチン接種の機会が与えられたらすぐに接種する意欲によって達成される」と呼びかけた。
さらなる変異で再感染の恐れ
英ウォーリック大学医学部のローレンス・ヤング教授(ウイルス学)は「最近の実験で、イギリス株は米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンを接種した患者の抗体によって細胞への感染を阻止できることが確認されていることを強調することが重要だ。しかし南アとブラジルで特定された変異株はウイルスのスパイクタンパク質にさらに多くの変異をもたらすため、心配だ」と言う。