ヘリコプターマネー論の前に、戦後日本のハイパーインフレを思い出せ
日本がハイパーインフレ(ハイパーインフレの定義は様々だが、ここでは制御不能な激しいインフレのことをそう呼ぶ)に陥ったのは、太平洋戦争の終了直後のことである。太平洋戦争で使われた戦費はあまりにも膨大(GDPの約9倍)で、税金で徴収できるようなレベルではなかった。このため戦費のほとんどは、政府が国債を発行し、日銀がこれを直接引き受けることによって賄われた。まさにヘリマネのスキームそのものである。
【参考記事】ジンバブエの旗とハイパーインフレ
終戦直前の1945年には日本の政府債務のGDP(国内総生産。ただし当時はGNPだった)比は200%を突破しており、当時の日本経済の体力で、この水準の財政を維持することは不可能だった。また空襲などによって日本国内の生産設備の多くが生産能力を失っており、極端なモノ不足に陥っていた。
日銀が際限なくマネーを供給し、通貨の価値が下がっているところに、極端な供給制限が加われば、物価が急騰するのは当たり前である。戦争中は政府が国家総動員法を用いて強引に経済統制を行っていたので表面化しなかったが、終戦と同時にインフレが爆発した。
1934年から1936年の水準と比較すると、国内の小売物価指数は約180倍に高騰している。約15年で物価が180倍なので、年率換算すると40%強のインフレということになる。一連のインフレによって大量の預金を持っている富裕層はその資産のほとんどを失ってしまった。
ちなみに、現時点における日本の政府債務(地方分含む)のGDP比は200%を突破している。債務残高という点では、ハイパーインフレを引き起こした太平洋戦争末期と同水準である(図)。当時と現在とでは日本が置かれた状況は異なるが、ヘリマネが話題となるこのタイミングにおいて、債務水準が同じになっているというのは少々気になるところだ。
その日は突然やってくる
筆者は、太平洋戦争末期と債務残高が同水準なので、日本もハイパーインフレになると短絡的に主張したいわけではない。現在の日本経済は当時よりも基礎体力があり、この状態でヘリマネに突入しても、すぐに通貨の信認が損なわれるわけではないだろう。
だが、当時の日本と今の日本を比較すると、債務の水準以外にもいくつかの共通点が見られる。当時は、大量の国債発行で市中にマネーが溢れていたことに加え、戦争による被害で供給制限がかかったことがインフレの引き金となった。だが供給制限の原因は直接的な戦争被害だけではない。
戦争によって若年層の人口が減少したことや、軍事用途に資金を強制的に配分した結果、それ以外の設備の更新が遅れ、企業の生産性が低下していたことも、供給制限の大きな要因となっていた。
トランプは関税発動とインフレ退治のどちらを優先? ついに見えてきた「トランプ経済」の中身 2025.04.03
日本維新の会、「社会保険料の引き下げ」「医療費削減」主張...背後にある「思惑」とは? 2025.03.12
「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは? 2025.03.05
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
外資企業の受付/英語活かせる・年休120日/六本木
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給28万6,000円~35万8,000円
- 正社員
-
外資系企業オフィス運営の統括マネージャー/英語力活かせる/月38万円〜
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給38万円~50万円
- 正社員
-
大手外資系金融テクノロジー企業の受付/未経験OK・想定年収364万円〜/東京
グローブシップ・ソデクソ・コーポレートサービス株式会社
- 東京都
- 月給26万円~32万円
- 正社員