「近代」が崩れゆく世界で、日本の青年は民主主義を守れるか?
経済を活性化するには、転社、転職、中途採用が当たり前の社会にしないといけない、と言われる。だが、それもバランスの問題だ。終身雇用は企業が人材を確保するのに必要だし、特に「とがっていない」人たちにとっては、そのほうが安心できる。問題はIT分野など急速に人材確保が必要な場合、柔軟な中途採用とその後の社内での昇進制度が必要になることだ。こうして、経済は何とか回っていくだろう。ラーメン店などで見ていても、日本の若い店員は「ちゃんとしている」。責任を持って働くのが当たり前の社会は安泰だ。
では、日本の青年に国を守る気概はあるか。そこは問題だ。全体主義といわれるロシアでさえ、ウクライナ侵攻以来、約100万人が国外へ逃避し、今も半分以上は帰国していない。日本でも、自衛隊に応募する若者はますます減っている。
「国家」は所詮、利権構造の集成なのだから、そこから特に利益を得ていない人は簡単に捨ててしまう。それでも国境を守ろうとするなら、軍隊は無人化に進むしかない。
では、日本が戦争の犠牲の上に手にした民主主義を、今の青年たちは守ってくれるだろうか。民主主義という手あかの付いた言葉はともかく、自分の権利を大事にし、人間らしい生活を目指すという基本は日本の若者に刷り込まれていると思うが。
アマゾンに飛びます
2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
高市新総裁をいきなり襲う国内外の暴風雨 2025.10.18
軍事パレードの陰で進む金融危機──中国が直面する二つの試練 2025.09.10
トランプが復活させたアメリカの「ルーズベルト流」帝国主義 2025.08.30
チャットGPTに日本のポピュリズムについて聞いてみた! 2025.07.26
バンス米副大統領が信奉する新思想、「ポストリベラリズム」の正体 2025.07.11
トランプ肝いりの「ステーブルコイン」でドル急落? 2025.07.01
人口減少の日本が取り入れたい、デンマーク式「財団企業」の賢い経営 2025.06.14






