賃金格差の解消こそが女性の雇用を後押しする
ILOでは批准すべき基本条約として「結社の自由」「強制労働」「差別」「児童労働」という4つのテーマを掲げています。それに関わる8つの条約それぞれについて、ILO加盟国の80%~95%が採択をしている中、日本はいまだにこの基本8条約ですら網羅しきれていません。未批准は105号「強制労働の廃止に関する条約」、111号「雇用及び職業についての差別待遇に関する条約」ですが、特に111号は差別待遇ですから女性の雇用問題にも関わってきます。ILOは日本を含めた各国に111号を批准させるべく例えば2008年のILO報告でも要請をしています。
The ILO Declaration Expert-Advisers (IDEAs) noted the intentions expressed by most governments, including the Government of Japan, to ratify or consider ratification of Conventions Nos.100 and/or 111. They encouraged the governments to accelerate this process so as to make an important step forward towards universal ratification.
ILO 宣言専門 アドバイザー (IDEAs) は、日本政府を含むほとんどの政府が示した100号および/または111 号の批准を検討する意向に注目した。IDEAsは普遍的な批准に向けた重要な一歩を進むよう、この批准に向けてのプロセスを加速するよう各政府に促した。
2015年現在でもまだ日本が批准していない背景には(これはワタクシの邪推に過ぎませんが)、米国も111号を批准していないからとの慢心があるのではなかろうか。その米国ですが、オバマ政権下では2010年から大統領の諮問委員会としてILO委員会が招集されています。ILO条約の批准のための法的蓋然性について集中的に検証作業を行う第三者委員会では、特にこの111号の採択に向けて動いており、その様子は米国務省のサイトに掲載されている国連向け報告書からもうかがえます。
In May 2014, the President's Committee on the ILO pledged to redouble its efforts to ratify Convention 111 on Discrimination in Employment and Occupation, demonstrating our commitment to equal opportunity and treatment and the elimination of employment discrimination worldwide.
2014 年 5 月、ILO の雇用と職業における差別に関する条約111 を批准するための努力を倍加することを大統領諮問委員会が約束、機会均等および世界的な雇用差別撤廃への取り組みを示します。
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