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日本のツイッター政治空間はリツイートが80% 政党に関するツイートを分析した
RyanKing999 -iStock
<ツイッターのデータから、5大政党に関するツイートを分析したところ、リツイートが80%、たった1.7%のツイートがツイート全体の約40%に拡散し、リツイートの多い発言は各政党への批判であることがわかった......>
5大政党に関するツイートのおよそ80%がリツイート
今回、5大政党(自民党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、共産党)に関するツイートを収集して集計、分析した結果、全ツイートの79.28%がリツイートだったことがわかった。
ツイッター上での日本の政治シーンにおける分析の先行研究としてはドイツのファビアン・シェーファー教授によるものがあり、拙著『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』でもくわしく取り上げた。その時の政治に関するツイートのリツイート率は56.7%だった。それに比べると今回のリツイート率はかなり高い。時とともに増加したのか、あるいは一時的なものかまではわからない。そういう基本的なデータが存在しないこともデータ整理を行った動機のひとつである。
グラフのようにツイート数でもアカウント数でもリツイートの比率が高いことがわかる。
ただし、リツイートの比率はテーマによって異なる。比較のために、「かわうそ(カワウソ)」、「卒業」、「尖閣」、「スプラトゥーン(スプラ)」、「コロナ」、「慰安婦」、「オリンピック」、「女性蔑視」という言葉で検索した結果が次のグラフである。なお、韓国(およびその蔑称)は2月13日深夜に起きた地震直後の1時間という特殊な条件下で観測したものである。ツイッターAPIの無償利用の上限は18,000ツイートだが、それを上回ったため、データのとりこぼしがある。取得できた範囲でのデータのリツイートは90%を超えた。
これだけから断定的なことは言えないが、社会的関心が高く、センシティブなテーマほどリツイートされやすい傾向が見て取れる。
5大政党に関するリツイートの状況をくわしくみてみると、リツイートの80%はたった9.92%のツイートが増幅されたものであり、50%は1.7%、30%は0.5%が拡散したものだった。アカウント数で見ると、リツイートの80%は23.43%のアカウントのツイートで、50%はたった3.82%、30%は1.18%のアカウントのツイートのリツイートで占められていた。リツイートはツイート全体の79.28%だったので、これを乗じれば全体への影響もわかる。たとえば、9.92%のツイートはツイート全体の63.42%、1.7%のツイートは39.64%、0.5%のツイートは23.78%に増幅されたことになる。
少数のアカウントが莫大なリツイートによって5大政党に関するツイートの多くのシェアを占めている。その内容のほとんどは政党に対するネガティブな発言だ。ツイートから名詞、動詞、形容詞を抽出し、図示したワードクラウドを見るとツイート内容がわかる。形容詞は特に負の感情にあふれていた。
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