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世界49カ国が民間企業にネット世論操作を委託、その実態がレポートされた
国家目標の達成と世界的影響力の拡大にはネット世論操作は不可欠?
こうしたネット世論操作は民主主義的価値観と相容れないもののように見える。ネット世論操作上位国のThe Economist Intelligence Unitの民主主義指数と同じく民主主義指数であるV-Demの結果をさきほどの表に記入して確認してみた。やはりネット世論操作上位国のほとんどは自由な民主主義体制ではなかった(民主主義指数およびV-Demのどちらも赤色とオレンジ色が非民主主義を示している)。ただ、イギリス、アメリカ、イスラエルはネット世論操作上位国でも民主主義体制を維持している。両立している国もあるのだ。
昨年発表された国家サイバーパワー指数2020(2020年9月)は従来のサイバー関係の指標と異なり、国家目標を達成するためのサイバーパワーを指数化している。この中には商業あるいは産業発展のために違法なサイバー活動を行うことや、国内外で情報操作を行うことも含まれている。国家目標を達成するための重要な活動と考えられていることを端的に示している。その意味で両立は避けて通れない課題なのかもしれない。ネット世論操作上位国のNCPIの順位を見ると、体制に関係なく世界に影響力を持つ国はネット世論操作能力を保持していなければならないようにも見える。
新しい時代の新しい産業
ネットとSNSの普及は社会のあり方を大きく変えつつある。グーグルやフェイスブックなどのネット産業が誕生したように、ネット世論操作産業などの新しい産業が生まれつつある。ネット世論操作産業は一般の認知度は低いが、ネット世論操作が本格的に選挙でも知られるようになった2014年頃には産業として成長を始め、ケンブリッジ・アナリティカなどの企業が生まれた。
だが、その実態は必ずしも明らかではない。今回ご紹介した数少ないネット世論操作の資料『Industrialized Disinformation 2020 Global Inventory of Organized Social Media Manipulation』のケーススタディ編では各国の詳細な実態がレポートされる予定で、この記事が掲載されるころには公開される予定だという。新しい発見があれば、またご紹介したい。
なお、今回取り上げたレポートに日本は取り上げられていない。これは日本でネット世論操作が行われていないというよりは、ネット世論操作に関する調査がほとんど行われていない(より正確には英語で公開されていない)ためと理解した方がよいだろう。
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