米内国歳入庁も約6000人削減、郵政公社は商務省に吸収か
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2月20日、米内国歳入庁(IRS)は、約6000人の職員の解雇を発表した。写真は、IRSの建物。2月16日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Annabelle Gordon)
Nathan Layne Andy Sullivan
[20日 ロイター] - 米内国歳入庁(IRS)は20日、約6000人の職員の解雇を発表した。トランプ米政権が進める政府機関の人員削減の一環で、起業家のイーロン・マスク氏率いる米政府効率化省(DOGE)が主導している。
関係者によると、解雇数は6700人程度に達する見通し。富裕層の納税強化を進めたバイデン前政権下で採用した職員が主に対象という。共和党はこの増員が一般の米国人に対するハラスメントになるとして反対している。
2021年にバイデン氏が大統領に就任する前にIRSの職員は8万人だったが、現在は約10万人に増えている。
アナリストは、こうした人員増が税収を押し上げ、政府の歳入を増加させ、1兆ドル規模の財政赤字縮小に寄与すると推計していた。
マスク氏はこの日、メリーランド州で開催された米保守派の大規模集会「保守政治活動会議(CPAC)」に登壇した。アルゼンチンのミレイ大統領が壇上でマスク氏にチェーンソーを手渡すと、政府の大幅歳出削減を象徴する道具としてチェーンソーを掲げ、「これは官僚主義のためのチェーンソーだ」と声を張り上げた。
こうした中、米紙ワシントン・ポスト(WP)はトランプ政権が米郵政公社(USPS)の理事会を解散し、独立機関である同公社を商務省に吸収する準備を進めていると報じた。
連邦政府の人員削減では、マスク氏が率いるスペースXやテスラ、ニューラリンクを含む大手企業を規制する機関も対象になっている。
WPによると、米道路交通安全局(NHTSA)で自動運転車を規制する部署では、半数近くの職員が削減される。
ホワイトハウスは連邦職員230万人のうち何人を削減する方針か明らかにしておらず、既に実施した大量解雇の規模も公表していない。先週には約7万5000人が早期退職に応じた。