米との通商協議、双方の痛み回避が最優先事項=EU担当委員
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2月20日、欧州連合(EU)のシェフチョビッチ委員(通商担当、写真)は、トランプ米政権との通商協議における最優先事項は、米国の一方的な関税とEUの対抗措置による双方の経済的な苦痛を避けることだと強調した。2024年11月、ブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Johanna Geron)
Andrea Shalal
[ワシントン 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)のシェフチョビッチ委員(通商担当)は20日、トランプ米政権との通商協議における最優先事項は、米国の一方的な関税とEUの対抗措置による双方の経済的な苦痛を避けることだと強調した。
前日にはワシントンでトランプ氏の通商担当高官と4時間にわたって会談した。シェフチョビッチ氏は、記者団に対して、欧州は米国の液化天然ガス(LNG)をより多く購入することに関心があると説明。米側にも関税を相互に引き下げる意思があると語った。
自身の目標について、ラトニック米商務長官、ホワイトハウスのハセット国家経済会議(NEC)委員長のほか、米通商代表部(USTR)代表に指名されているジェミソン・グリア氏と議論したと述べた。
EUは、トランプ氏が先週発表した、米の輸入関税率を他国と同率に引き上げるという相互関税で特に大きな打撃を受ける可能性がある。EUの乗用車関税は10%で、米の2.5%の4倍である上に、米政府は少なくとも17.5%という欧州の付加価値税に不満を抱いている。
シェフチョビッチ氏は、米・EUの緊張が世界に波及する可能性を挙げ、前向きな解決策を見出すことが双方の責務と述べた。