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ウクライナ大統領提唱の「4者停戦協議」検討は時期尚早=ロシア

2025年02月04日(火)08時53分

2月3日、ロシア政府はウクライナのゼレンスキー大統領が希望するウクライナ、ロシア、米国、欧州連合(EU)の4者が参加する停戦協議案について、話題にするのは時期尚早だと冷淡な反応を示した。写真はぺスコフ報道官。モスクワで2024年12月代表撮影(2025年 ロイター)

[モスクワ 3日 ロイター] - ロシア政府は3日、ウクライナのゼレンスキー大統領が希望するウクライナ、ロシア、米国、欧州連合(EU)の4者が参加する停戦協議案について、話題にするのは時期尚早だと冷淡な反応を示した。

ゼレンスキー氏は1日に公表されたAP通信のインタビューで、こうした4者の枠組みでの停戦協議が好ましいと語り、ウクライナを除外して米ロ両国が停戦を話し合うのは「非常に危険だ」とくぎを刺した。

この発言は、トランプ米大統領がウクライナ問題で米ロが既に接触していると示唆したことを受けたもの。ただトランプ氏は詳細を明らかにしておらず、インタファクス通信は1月27日、ロシアのリャブコフ外務次官がトランプ政権とまだ直接的な連絡をしていないと述べたと伝えている。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ゼレンスキー氏の提案について聞かれると「今のところ停戦協議参加者の組み合わせがどうなるか真剣な話し合いは行われていない」とコメントした。

その上で「目下われわれは、ゼレンスキー氏がそうした協議を開催する権限を持たないとの想定で手続きを進めている」と強調した。

ロシアは長らく、ゼレンスキー氏が昨年に5年の任期を終えた後、戦時下を理由に選挙を行っていない以上、停戦合意に署名する法的な権限はないと主張。ウクライナ側は、そのような見方は交渉を難航させるための陰険な陰謀だと一蹴している。

ペスコフ氏によると、ゼレンスキー氏が2022年に発した命令でプーチン大統領がロシアを統治している限り、停戦協議に入るのを禁止されていることも、協議の形式に関して議論するのを難しくしているという。

同氏は「この命令が有効のままで(停戦協議)参加者の構成を話題にするのは恐らく先走り過ぎだろう」と述べた。

ロイター
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