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肥満診断、BMIに代わる新たなガイドライン提案=専門家委員会

2025年01月15日(水)11時23分

 1月14日、医学界の専門家ら56人でつくる委員会が作成した肥満診断のガイドラインは、世界中の医師がより広範な基準で診断し、その状態が不健康を引き起こす場合を考慮することを提案した。写真はエクササイズする女性たち。米コロラド州デンバーで2012年5月撮影(2025 ロイター/Rick Wilking )

[ロンドン 14日 ロイター] - 医学界の専門家ら56人でつくる委員会が作成した肥満診断のガイドラインは、世界中の医師がより広範な基準で診断し、その状態が不健康を引き起こす場合を考慮することを提案した。ガイドラインは世界の76の医療機関から推奨され、ランセット糖尿病・内分泌学専門誌に掲載された論文で14日に発表された。

医師は肥満かどうかを測定するため、現在は体重と身長から算出する体格指数(BMI)を用いている。しかし、委員会はBMIでは十分に正確な測定はできないとし、誤診を避けるために胴囲なども測定することを薦めた。

また、肥満は「臨床的肥満」と「前臨床的肥満」の2つのカテゴリーに分類すべきだと指摘。臨床的肥満は過剰な体脂肪に加え、息苦しさや心不全のような臓器機能の低下や日常生活に支障をきたす症状を伴う場合だと定義。慢性疾患だと見なし、症状に応じて治療されるべきだと提案した。

一方、臨床前肥満は肥満または過剰な体脂肪であっても進行中の病気の徴候がなく、臓器機能も正常な場合を指す。委員会はこの状態を臨床的肥満と、糖尿病のような他の病気の両方の危険因子と見なすべきだとし、患者のリスクを減らすために監督または積極的な治療によって支援すべきだとした。

フランチェスコ・ルビーノ委員長(キングス・カレッジ・ロンドン教授)は記者会見で「肥満はスペクトラムだ」とし、「肥満というものをあいまいにしておくわけにはいかない」と強調した。

肥満人口は世界中で10億人を超えていると推定されており、専門家らはより正確に診断することで、ヘルスケアの資源をより有効に活用できると言及した。新たなガイドラインに基づくと肥満だと診断される人が増えるのか、それとも減るのかはまだ分からないとしながらも、肥満が疾患であるかどうかをめぐる医学界の極論に決着がつくことを期待しているという。

ロイター
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