ブラジル第3四半期GDP、前期比0.9%増 金融引き締め観測高まる
ブラジル地理統計院(IBGE)が3日発表した2024年第3・四半期国内総生産(GDP)は、季節調整済みの前期比が0.9%増となった。写真はブラジルのルラ大統領。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Adriano Machado)
[ブラジリア 3日 ロイター] - ブラジル地理統計院(IBGE)が3日発表した2024年第3・四半期国内総生産(GDP)は、季節調整済みの前期比が0.9%増となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想と一致した。前年同期比では4.0%増で、予想の3.9%を上回った。
ブラジル経済は第3・四半期に減速したものの、投資が増え、堅調な労働市場が家計消費を押し上げたことにより、好調を維持していることが示された。ブラジル中央銀行がインフレ圧力を抑制するためにより積極的な姿勢を取る必要があるとの見方が強まった。
IBGEは、23年の成長率を3.2%に修正。24年第1・四半期は1.1%増、第2・四半期は1.4%増だった。
第3・四半期には、家計消費が前期比1.5%増加。総固定資産形成で測った投資は2.1%増、政府消費は0.8%増えた。
今回の指標を受けて、ブラジル財務省は、労働市場は「今年の最終四半期も堅調に推移する見込み」として、GDP成長率見通し3.3%の上方修正を示唆した。
キャピタル・エコノミクスの新興市場担当副主任エコノミスト、ジェイソン・トゥベイ氏は「第3・四半期のGDPの拡大はブラジル経済が過熱しているとの中銀の懸念を強めるだろう」と述べ、11月の50ベーシスポイント(bp)の利上げに続き、中銀が来週の金融政策会合で引き締めペースを早める可能性が高まったとの見方を示した。