英首相、交渉によるウクライナ戦争終結の可能性認める
スターマー英首相は12月2日、ウクライナを和平交渉で最も強い立場に置くため、同国への支援を強化することが不可欠との見方を示した。11月29日、ロンドンで代表撮影(2024年 ロイター)
Andrew MacAskill
[ロンドン 2日 ロイター] - スターマー英首相は2日、ウクライナを和平交渉で最も強い立場に置くため、同国への支援を強化することが不可欠との見方を示した。交渉による戦争終結の可能性をこれまでで最も明確に認めた形だ。
ロシアが勝利すれば、その同盟国を勢いづかせる可能性があるため、欧州の安全と安定、繁栄が脅かされると警告し、西側のウクライナ支援継続の重要性を強調した。
ロンドンで行った講演で「ウクライナを支援し続け、同国の自衛を支援するための措置を必要な限り行わねばならない」とし、「ウクライナが安全と独立、自らの将来を選択する権利を保証する自らの条件で公正かつ持続的な和平を確保できるよう、同国を交渉で最も強い立場に置くためだ」と述べた。
英政府当局者はこれについて、スターマー氏が交渉による戦争終結に言及した最も明確な発言だとロイターに語った。同首相はこれまで、ロシアが国際的に認められたウクライナ国境から撤退することで戦争を終結すべきとしていた。
ウクライナ支援に懐疑的なトランプ次期米大統領は早期に戦争を終わらせると表明している。また、米国がウクライナ支援を縮小すれば、欧州諸国には軍事支援強化の圧力が強まる。