中国国営メディア、トランプ氏の関税案を非難 薬物問題の責任転嫁
中国国営メディアは26日付の社説で、米国のトランプ次期大統領が中国製品に追加関税を課すと表明したことを受け、トランプ氏が国内の違法薬物問題の責任を中国に負わせていると非難した。写真はニューヨークで9月撮影(2024年 ロイター/David Dee Delgado)
Joe Cash
[北京 27日 ロイター] - 中国国営メディアは26日付の社説で、米国のトランプ次期大統領が中国製品に追加関税を課すと表明したことを受け、トランプ氏が国内の違法薬物問題の責任を中国に負わせていると非難した。
トランプ氏は25日、就任初日に中国からのほぼ全ての輸入品に10%の追加関税をかけると表明した。追加関税の理由として、中国からメキシコなどを経由して合成麻薬「フェンタニル」が流入している点を指摘した。
国営紙チャイナ・デイリーと環球時報の社説は、トランプ氏が言及したフェンタニルの問題に焦点を当てた。
チャイナ・デイリーの社説の見出しは「他者をスケープゴートにしても米国の薬物危機は終わらない」とあり、環球時報は「トランプ氏の発言後、米国は麻薬対策協力に関して中国の善意を当然のことと考えてはならない」と述べた。
チャイナ・デイリーは「次期大統領が中国からの輸入品に追加関税をかけるという脅威を正当化するために挙げた言い訳はこじつけだ」とし、「世界の誰もが、米国のフェンタニル危機の根本原因は米国自身にあることをはっきりと理解している」と指摘した。
「関税戦争に勝者はいない。米国が関税を武器化して経済や貿易問題を政治化し続ければ、無傷で済む者はいないだろう」と強調した。