ガザ戦争終結なくして人質・囚人交換あり得ず=ハマス副代表
イスラム組織ハマスの副代表を務めるハリル・アル・ハイヤ氏は11月20日、パレスチナ自治区ガザでの戦争が終結しない限り、イスラエルとの人質・囚人の交換協定は成立しないとの考えを表明した。2023年11月、ベイルートで撮影(2024年 ロイター/Esa Alexander)
[カイロ 20日 ロイター] - イスラム組織ハマスの副代表を務めるハリル・アル・ハイヤ氏は20日、パレスチナ自治区ガザでの戦争が終結しない限り、イスラエルとの人質・囚人の交換協定は成立しないとの考えを表明した。
ハイヤ氏は、ハマスが運営するアルアクサテレビとのインタビューで、「戦争が終わらなければ、捕虜の交換はあり得ない」と改めて指摘。「侵略が終結しないのに、ハマスや他の勢力が捕虜(人質)を帰還させる理由があるだろうか」と述べた。
ガザでの停戦交渉に向けた取り組みは行き詰まりをみせている。国連安全保障理事会は20日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとハマスの紛争の停戦を求める決議案について採決し、米国が常任理事国の持つ拒否権を行使して阻止した。採決に先立って米高官は、米国は停戦の一環として人質の即時解放を明確に求める決議案のみを支持すると述べた。
ガザ停戦交渉で仲介役を務めるカタールとエジプトとの会談でハマス代表団を率いたハイヤ氏は、交渉が進展しなかったのはイスラエルのネタニヤフ首相のせいだと非難。交渉再開に向けて複数の国や仲介者と接触を図っているとし、「われわれは、こうした努力を続ける用意があるが、より重要なのは占領軍側に侵略を終結させる真の意志があることだ」と述べた。
ネタニヤフ氏はハマスに交渉行き詰まりの責任があるとしている。
こうした中、エジプトとともに停戦の仲介役として重要な役割を果たしてきたカタールは9日、ハマスとイスラエルに対し、双方が協議を再開する「意思と真剣さ」を示すまで、ガザでの停戦交渉の仲介を中断すると伝えたと明らかにした。