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米石炭火力の排出量削減巡る新規則、最高裁が差し止め請求認めず

2024年10月17日(木)11時22分

 10月16日、米連邦最高裁判所は、国内の石炭火力発電所に厳しい温室効果ガス排出量削減目標を課す環境保護局(EPA)の新たな規則について、異議申し立ての訴えを起こしたウェストバージニアなど25の州や電力業界などからの訴訟期間中の差し止め請求を認めない判断を示した。写真は米最高裁。米ワシントンで8日撮影(2024 ロイター/Annabelle Gordon)

Andrew Chung

[16日 ロイター] - 米連邦最高裁判所は16日、国内の石炭火力発電所に厳しい温室効果ガス排出量削減目標を課す環境保護局(EPA)の新たな規則について、異議申し立ての訴えを起こしたウェストバージニアなど25の州や電力業界などからの訴訟期間中の差し止め請求を認めない判断を示した。

新規則は、2038年より先まで運転を続ける石炭火力発電所に対して、32年までに温室効果ガス排出量を90%削減するよう義務付ける内容。二酸化炭素(CO2)の回収・貯留を通じた目標達成も可能としている。

気候変動やそれによる異常気象、海面上昇などの問題に対処するには、化石燃料発電所による温室効果ガス排出量が米国全体の25%を占めている以上、電力セクターを規制対象に含めなければならない、というのがEPAの主張だ。

EPAによると、CO2回収・貯留は実効性が証明され、技術的にも実現可能という。

ただ規則差し止めを求めた原告側は、そうした技術はEPAが想定するほどの規模で効果があるかどうかはまだはっきりしていないと反論。主要石炭産地のウェストバージニア州などは、この規則が実質的に石炭火力発電をこの世から消し去ろうとする取り組みだと申し立てた。

こうした中で最高裁のカバノー判事は、新規則の順守開始が来年6月以降である点を踏まえると、下級審が判断を下すまでに原告側が「取り返しがつかないほどの弊害を被る公算は乏しい」と指摘した。

ロイター
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