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貿易収支9月は3カ月連続赤字、自動車低迷で輸出10ヵ月ぶり減

2024年10月17日(木)12時58分

 財務省が10月17日発表した9月貿易統計速報は、貿易収支が2943億円の赤字だった。2023年2月、都内の港湾施設で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Tetsushi Kajimoto

[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日発表した9月貿易統計速報は、貿易収支がマイナス2943億円と3カ月連続の赤字だった。米中向け自動車が振るわず、輸出が10カ月ぶりに減少に転じる一方、米国から周辺機器を含めたパソコン関連、台湾から半導体の輸入が増加した。

貿易収支はロイターの予測中央値2376億円の赤字と同水準だった。

9月の輸出は前年同月比1.7%減、輸入は同2.1%増だった。財務省幹部は、輸出が減少基調に転じたとする見方は「時期尚早」とした。

農林中金総合研究所の南武志・理事研究員は「欧米経済は物価鈍化・低成長に直面しており、不動産問題を抱える中国経済も低調」と指摘。米国が利下げを継続し、日本が金融正常化を進めた場合は為替が円高に振れる可能性があるとし、「2025年前半にかけて輸出の減少傾向は続くだろう。一方、円高が進み資源価格も落ち着いたまま推移すれば、輸入額も伸び悩むだろう」とみる。

日米の金利差から、為替の円安は対ドルで161円を超えて30数年ぶりの水準まで進み、輸入物価の高騰を招いた。輸入価格の高騰は輸出価格を上回り貿易収支の赤字が定着するのではと懸念が生じた。

<半期は過去最大の黒字>

同時に公表された2024年度上半期の日本の輸出額は、前年同月比6.6%伸びて半期としては過去最大の53兆5504億円となった。半導体等製造装置や半導体等電子部品、自動車がけん引役となった。

為替で円が対ドル前年比9.7%の円安となる中、輸入金額も膨らみ前年比7%増の56兆6571憶円と、3期ぶりの増加を記録した。

金額ベースの輸出額が上振れる一方、輸出数量指数は4.3%下落し、6期連続の減少となった。

国別の輸出額は、米国向けが7.3%増の10兆8108憶円で1位となり、2位の中国向け9兆4646億円を上回った。

*財務省の発表資料は以下のURLをクリックしてご覧ください。  

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