WTO、24年世界貿易予想を+2.7%に上方修正 中東紛争制御なら
世界貿易機関(WTO)は10日、中東紛争の拡大抑制を前提として、今年の世界貿易予想を4月に示した2.6%増から2.7%増に上方修正した。資料写真、2022年10月撮影(2024 ロイター/Denis Balibouse)
[ジュネーブ 10日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)は10日、中東紛争の拡大抑制を前提として、今年の世界貿易予想を4月に示した2.6%増から2.7%増に上方修正した。また、この想定では2025年には3%増が見込まれる公算が大きいとした。
WTOは報告で、世界貿易は今年、高インフレと金利上昇による23年の低迷から回復していると説明。オコンジョイウェアラ事務局長は声明で「24年は世界貿易が徐々に回復すると予想しているが、中東のような地域紛争が激化する可能性など、後退リスクは引き続き警戒している」と述べた。
WTOはまた、主要経済国間の金融政策の相違も予想の下振れリスクと指摘。「中央銀行が金利を引き下げる中、これが金融の不安定化と資本フローの変化につながる可能性がある」とし、貧困国にとって債務返済がより困難になるとの見通しを示した。
一方で「先進国の利下げがインフレを再燃させることなく予想を上回る成長を刺激すれば、見通しには限定的ながら上振れ余地もある」と分析した。