ニュース速報
ワールド

トランプ氏が異例の被災地訪問、災害の政治利用と専門家

2024年10月02日(水)10時29分

米大統領選を戦う共和党のトランプ前大統領がハリケーン「へリーン」の被災地を訪れてバイデン政権が対応を怠っていると虚偽の主張をしたことについて、複数の政治アナリストは1日、選挙戦を有利に展開するため災害を利用していると指摘した。写真は9月30日、ジョージア州バルドスタで撮影(2024年 ロイター/Elijah Nouvelage)

Tim Reid Helen Coster

[ワシントン 1日 ロイター] - 米大統領選を戦う共和党のトランプ前大統領がハリケーン「へリーン」の被災地を訪れてバイデン政権が対応を怠っていると虚偽の主張をしたことについて、複数の政治アナリストは1日、選挙戦を有利に展開するため災害を利用していると指摘した。

ハリケーンではノースカロライナやジョージア、フロリダなど南部州で100人以上の死者が出ており、さらに増える見込み。

トランプ氏は9月30日、激戦州ジョージアのバルドスタを訪れ、石油や水、機材など「トラック何台分もの物資」を州に運び入れ、キリスト教福音派指導者フランクリン・グラハム氏の救済団体と連携して州民に届けると述べた。

セントルイス・ワシントン大学の政治学教授、アンドリュー・リーブス氏はトランプ氏が今回のハリケーンを、現政権の副大統領で民主党候補ハリス氏と結びつけようとしていると分析。

災害対応に大きな不備があればハリス氏に跳ね返る可能性があるとし、「トランプ氏は大統領のように振る舞い、自身が危機に関心を向けていると報じられることを狙っている」とした。

アナリストによると、現職ではない大統領候補が被災地を訪れるのは異例。

超党派の政治アナリスト、スチュアート・ローゼンバーグ氏は自然災害、とりわけハリケーンは近年の米政治を左右しており、今年の大統領選の行方を変えかねないと述べた。

トランプ陣営の広報担当カロリン・リービット氏は「バイデン氏やハリス氏が危機時に米国民を見捨てているのに対し、トランプ氏は率先して行動する」と主張した。

バイデン氏は2日にノースカロライナを訪れる考えで、ジョージアとフロリダも近く訪問する。

ハリス氏も2日にジョージア州オーガスタを訪問する予定で、その後ノースカロライナを訪れるとホワイトハウスが発表した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

国民が物価高に苦しむの本意でない=エネルギー補助延

ビジネス

米FRB、シティグループに対する資金洗浄巡る処分を

ワールド

米副大統領候補討論会、ウォルズ・バンス両氏が中東や

ワールド

米労働当局がアップル告発、違法な職場規則で社員の権
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 2
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 3
    ジェットスキーのロシア兵を、FPVドローンが「排除」...背後から追跡、爆発するまでの緊迫映像をウクライナが公開
  • 4
    KATSEYEが韓国ハイブと米ゲフィンの手でデビュー、K…
  • 5
    欧州でも「世紀の豪雨」が町を破壊した...100年に1度…
  • 6
    【クイズ】「愛人」は中国語でどういう意味?
  • 7
    8日間のはずが8カ月に...宇宙飛行士の「足止め騒動」…
  • 8
    イランがイスラエルに報復できる手段は限られている…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッション」に世界が驚いた瞬間が再び話題に
  • 3
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 6
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 7
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 8
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 9
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう…
  • 10
    欧州でも「世紀の豪雨」が町を破壊した...100年に1度…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンシ…
  • 6
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中