米東海岸で10月1日から港湾スト、1日数十億ドルの経済損失も
米東海岸とメキシコ湾岸に面したメーン州からテキサス州にかけて港湾労働者が米東部時間10月1日午前0時1分からストライキに突入し、コンテナ船で米国に輸入される貨物などの輸送が停止する。写真はニューヨークのアッパーベイを航行するコンテナ船。9月30日撮影(2024年 ロイター/Caitlin Ochs)
David Shepardson
[30日 ロイター] - 米東海岸とメキシコ湾岸に面したメーン州からテキサス州にかけて港湾労働者が米東部時間10月1日午前0時1分からストライキに突入し、コンテナ船で米国に輸入される貨物などの輸送が停止する。ストの回避に向けた労使交渉は今のところ予定されておらず、1日当たり数十億ドルの経済損失をもたらす恐れがある。
ストをするのは港湾労働者約4万5000人を抱える国際港湾労働組合(ILA)で、賃金を巡る米海事同盟(USMX)との交渉が暗礁に乗り上げたまま、労使契約が期限を迎えたのが要因。ILAが沿岸部全域でストを実施するのは1977年以来となり、米国の海運全体の約半分を取り扱う港湾に影響を及ぼす。
ニューヨーク・ニュージャージー港湾局のリック・コットン事務局長は9月30日の記者会見で「あらゆる兆候がストになることを示している」と言及。コットン氏によると、港湾ターミナルの入り口が米東部時間30日午後5時(2100GMT)に閉鎖され、ストが終結するまで10万個弱のコンテナが港に留め置かれる。今後1週間にさらに35隻の船舶が入港予定で、ストの期間中は停泊したままになる。
米商工会議所のスザンヌ・クラーク会頭は、バイデン大統領に対して「タフト・ハートレー法」を発動してストを80日間阻止するように求めた。これに対してバイデンは29日、ストに介入するつもりはないと表明した。
バイデン政権の当局者は27日、USMXと会談して「(労使)交渉の席に着き、公正で迅速、かつ誠実に交渉する必要がある」と伝えた。
USMXは、ILA側が交渉を拒否していると非難している。