レバノン軍、国境から撤退 イスラエルの地上侵攻間近か
9月30日、イスラエルによる地上侵攻の可能性が高まる中、レバノン軍は30日、同国南部で国境から5キロ退いた。治安筋がロイターに明らかにした。写真はベイルート南郊で10月1日撮影(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)
Maya Gebeily Timour Azhari Phil Stewart
[ワシントン/ベイルート/エルサレム 30日 ロイター] - イスラエルによる地上侵攻の可能性が高まる中、レバノン軍は30日、同国南部で国境から5キロ退いた。治安筋がロイターに明らかにした。
治安筋によると、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルート南部郊外で少なくとも2回の攻撃を行った。ロイターの記者は、イスラエル軍がベイルート南部にある親イラン民兵組織ヒズボラの施設付近から住民に避難するよう警告してから約1時間後、大きな爆発音を聞いたと明らかにした。
米当局者はイスラエル軍部隊の配置がレバノンへの地上侵攻が差し迫っている可能性を示唆していると明らかにした。
イスラエルのガラント国防相は30日、「ヒズボラに対する戦争の次の段階が間もなく始まる」と言明、「次の段階」がレバノンとの国境付近から避難した住民を帰還させるという目的の達成に寄与するという見方を示した。
一方、ヒズボラのナンバー2、ナイム・カセム氏は、イスラエルが地上侵攻に踏み切った場合、対抗する準備ができているとし、イスラエルは目標を達成できないと述べた。
「われわれはいかなる可能性にも立ち向かうつもりだ。イスラエル軍が地上侵攻を決断した場合も、戦う準備ができている」と表明した。ヒズボラトップのナスララ師が28日にイスラエルの空爆で死亡して以来、ナイム・カセム氏が演説するのは初めて。
米国務省のミラー報道官によると、イスラエルはレバノンとの国境付近にあるヒズボラのインフラを標的とした限定的な地上作戦を実施していると米国側に伝えた。
バイデン米大統領は、イスラエルによるヒズボラへの軍事作戦について問われ「彼らが停止すれば私は満足だ」と述べ、自制を促した。「今すぐ停戦すべきだ」との考えも改めて示した。
レバノン保健省は、イスラエル軍によるレバノン南部の町アイン・デレブへの攻撃で45人が死亡したと発表した。