ニュース速報
ワールド

中国が米国にもたらす難題、冷戦時代を超越=米国務副長官

2024年09月19日(木)12時22分

 9月18日、キャンベル米国務副長官(写真)は、米下院外交委員会の公聴会で証言し、中国が米国にもたらしている難題は冷戦時代の難題を超越しているとの見解を示した。写真は米ワシントンで2022年5月撮影(2024 ロイター/Elizabeth Frantz)

Michael Martina David Brunnstrom

[ワシントン 18日 ロイター] - キャンベル米国務副長官は18日、米下院外交委員会の公聴会で証言し、中国が米国にもたらしている難題は冷戦時代の難題を超越しているとの見解を示した。ロシアの防衛産業に対する中国の支援は、中国の最高指導部からの指示によるものだと非難した。

バイデン米政権は中国との冷戦を追求する意向はないと表明しているが、専門家や米連邦議会議員の間では、米中間の世界的な競争の激化はかつての冷戦とは異なる、新たな形の冷戦に類似した状況だとの見方が広がっている。

キャンベル氏は公聴会で、米国は超党派での中国への対応を維持するとともに、軍艦の製造を加速し、米防衛産業の生産力を強化する必要があると訴えた。

同氏は「率直に言って、中国がもたらしている広範囲な難題と比べると、冷戦は色あせてしまう」と発言。具体的には軍事面の難題だけではなく、グローバルサウスや情報技術の問題にも対処しなければならないと付け加えた。

さらにキャンベル氏は、米国の軍艦製造ペースを加速させることが「向こう10年間にわたる最優先事項の1つにしなければならない」と述べ、海軍力の重要性を改めて指摘した。

一方で同氏は、中国政府の幹部によるロシアへの支援について「最も憂慮すべきは、それが最高指導部から指示されていることにある」と語り、ウクライナにおけるロシアの無人機(ドローン)を使った軍事活動を中国が支援してきたことを槍玉に挙げた。

また同氏によると、21日に開く日米豪インド4カ国の協力枠組みクアッドの首脳会議では、大半を中国船が占める違法操業漁船に対する太平洋・東南アジア諸国の監視態勢を拡充する取り組みが発表されるという。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南ア中銀、0.25%利下げ FRBに続き緩和路線

ビジネス

米中古住宅販売、8月は2.5%減の386万戸 価格

ワールド

ヒズボラ指導者、通信機器爆発は「宣戦布告」 イスラ

ワールド

ハリス氏とトランプ氏、全国で支持率拮抗 激戦東部州
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 2
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 3
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高められる次期首相は高市氏だ
  • 4
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエ…
  • 5
    米大統領選を左右するかもしれない「ハリスの大笑い」
  • 6
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 7
    「気持ち悪い」「正直言って変...」サブリナ・カーペ…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 10
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に…
  • 6
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 7
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 8
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 9
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 10
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 9
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 10
    ロシア国内クルスク州でウクライナ軍がHIMARS爆撃...…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中