豪8月就業者数は予想上回る、失業率横ばい 労働市場なお逼迫
9月19日、豪連邦統計局が発表した8月の雇用統計は、就業者数が3カ月連続で市場予想を上回った。写真はオーストラリアのポート・ケンブラにある製鉄所で働く従業員。2月撮影(2024 ロイター/Lewis Jackson)
[シドニー 19日 ロイター] - 豪連邦統計局が19日発表した8月の雇用統計は、就業者数が3カ月連続で市場予想を上回った。一方、労働力も急速に拡大したため失業率は横ばいとなった。
労働市場がなお逼迫しているとの見方が強まり、短期的な利下げの可能性は低いとする豪準備銀行(中央銀行)の見解を後押しする結果となった。
豪国債先物は下げ幅を拡大し、3年債先物は11ティック安の96.53。豪ドルは序盤の安値から戻し、0.1%高となった。
8月の就業者数は前月比4万7500人増加。市場予想の2万5000人増を大幅に上回った。ただ、増加したのは全てパートタイム就業者だった。7月の就業者数は4万8900人増に下方改定された。
8月失業率は4.2%で前月と変わらず。市場予想とも一致した。
労働参加率は過去最高の67.1%を維持。労働時間は0.4%増加した。
統計局の労働統計責任者ケイト・ラム氏は「仕事がない、仕事が少ないなど経済の理由で通常よりも労働時間が短い人の割合はコロナ禍前の水準を下回り、労働市場の相対的な逼迫が続いていることを示している」と述べた。
豪中銀は雇用増加を維持しつつインフレ率を目標の2─3%に低下させる上で4.35%の現行政策金利が十分に制約的と判断し、昨年11月から金利を据え置いている。
労働時間や不完全雇用など最近の指標の強さは中銀にとってややサプライズとなり、基調インフレ率が目標水準に低下するのは来年末と予想する理由になっている。
それでも市場は今年末までの利下げの確率を75%とみている。