フィリピンと日本、円滑化協定に署名 安全保障で連携強化
7月7日、フィリピン大統領府広報局は、同国と日本が8日、防衛・安全保障に関する連携を強化する「円滑化協定」(RAA)に署名する見通しと明らかにした。マルコス大統領(写真)が調印に立ち会うという。シンガポールで5月撮影(2024年 ロイター/Edgar Su)
[マニラ 8日 ロイター] - フィリピンと日本は8日、フィリピン軍と自衛隊の相互往来を容易にする「円滑化協定」(RAA)に署名した。インド太平洋地域で緊張が高まる中、安全保障に関する連携を強化する。
日本の上川陽子外相と木原稔防衛相が訪問先のフィリピンの首都マニラで開かれた式典で署名した。フィリピンのマルコス大統領が調印に立ち会った。フィリピン大統領府高官が明らかにした。
フィリピンは南シナ海で中国が敵対的な動きを強めているとし、対抗するため近隣諸国などと関係を強化している。
日本との円滑化協定を巡っては昨年11月から正式交渉を行ってきた。
フィリピンにおける日本の軍事的プレゼンスは、南シナ海で威圧的行動を繰り返す中国にフィリピンが対抗するのに役立つ可能性がある。
日本はフィリピンに沿岸監視レーダーを提供することに合意した。これは、日本が同志国軍を支援する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」に基づく初の連携プロジェクトとなる。
フィリピンのマナロ外相は、RAA署名後に行った川上外相との共同会見で、日本は南シナ海に関するフィリピンの立場を支持し、ルールに基づく秩序を推進していると述べた。
中国外務省報道官は定例会見で記者団の質問に対し、アジア太平洋地域に軍事ブロックは必要なく、ましてや衝突を挑発する必要はないと発言。
「日本は第2次世界大戦中にフィリピンを含め東南アジア諸国を侵略し植民地支配をした。日本は侵略の歴史を真剣に反省し、軍事安全保障分野の言動に慎重になる必要がある」と述べた。