タカ派姿勢にじむブラジル中銀、総裁は3%のインフレ目標達成に強い決意
ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁(写真)は15日、3%のインフレ目標達成に向けた決意を堅持すると表明した。米ニューヨーク市で昨年11月撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
Marcela Ayres
[ブラジリア 15日 ロイター] - ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁は15日、3%のインフレ目標達成に向けた決意を堅持すると表明した。ガブリエル・ガリポロ理事も同日、総裁に同意する発言を行った。
中銀は8日の金融政策委員会(COPOM)で、政策金利の引き下げ幅を従来の50ベーシスポイント(bp)から25bpに縮小。両幹部の発言は中銀のタカ派姿勢を強調するものとなった。
総裁はブラジリアで開かれた中銀のイベントで講演し「われわれの責務は明確で、しっかり定義されており、それを追求する」と述べ、インフレ目標の上下1.5%ポイントという許容レンジについての政策議論は排除すべきだと明言した。
ガリポロ理事はその直後にニューヨークのイベントで、インフレ率が目標値から外れつつあることに重大な懸念があると述べた。
8日のCOPOMはメンバー9人のうち4人が50bpの利下げに投票し、票が割れた。しかしカンポス・ネト総裁はブラジリアで開かれた中銀のイベントで、予想物価上昇率の上昇が懸念されるという点で委員の見解は一致したと強調した。総裁は25bpの利下げに投票していた。
ガリポロ氏は、50bpの利下げという事前ガイダンスを守るべきだとの判断から最終的に50bp利下げに投票したが、25bpに投票することも検討したと説明した。
これらの発言を受け、金利先物市場では中銀が早ければ6月の次回会合から、現在の緩和サイクルを休止させるとの観測がさらに強まっている。