中国、核兵器を増強しつつ先制不使用協議を要求 米が疑問視
5月15日、米国務省のボニー・ジェンキンス次官(軍備管理・国際安全保障担当)は、中国は米国の核兵器リスク削減提案に回答しておらず、中国が核兵器の増強を続けながら、米国に先制不使用協議を求めていることに米政府は疑問を抱いていると語った。スイス・ジュネーブで2023年2月撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)
[ワシントン 15日 ロイター] - 米国務省のボニー・ジェンキンス次官(軍備管理・国際安全保障担当)は15日、中国は米国の核兵器リスク削減提案に回答しておらず、中国が核兵器の増強を続けながら、米国に先制不使用協議を求めていることに米政府は疑問を抱いていると語った。
ジェンキンス氏は米上院外交委員会で、中国は現在500発の使用可能な核弾頭を保有しており、2030年までにはおそらく1000発以上を保有するとの見方を示した。
同氏によれば、昨年11月、米政府高官は中国側と約5年ぶりに軍備管理と拡散について協議した。会談では、リスクを管理・軽減するための潜在的な方策について予備的な議論が行われたが、中国はその後の会談を拒否し、米国が提示したリスク削減案に対して実質的な回答を示していないという。
ジェンキンス氏はロシアにも言及し、中国の核兵器増強は「米国が近い将来、拡張的で大幅な核武装をした2つの核保有国に直面する可能性を提起している」と発言。「中国がより大規模で多様な核兵器を開発していることは深く懸念され、中国の核兵器プログラムの今後に疑問を投げかけている」と語った。
ジェンキンス氏は、中国が2月に、米国など核兵器保有国に対し、互いに核兵器の先制不使用に関する条約を交渉するか、政治的な声明を出すよう求めたことについて、米国はそれまで中国からこの提案を聞いたことはなかったと説明。「先制不使用の考えが、現在進行中の核兵器製造プロセスの中でどのように適合するのか、中国はどれほど誠実なのかという疑問がある」と述べた。