原油先物は続伸、米インフレ鈍化と堅調な燃料需要受け
5月16日、アジア時間の原油先物価格は続伸。オーバーナイトで発表された米国の4月インフレ率が鈍化し、9月利下げ観測が強まっていることが背景にある。フランスのフォスシュルメールで13日撮影(2024年 ロイター/Manon Cruz)
Katya Golubkova
[東京 16日 ロイター] - アジア時間の原油先物価格は続伸。オーバーナイトで発表された米国の4月インフレ率が鈍化し、9月利下げ観測が強まっていることが背景にある。
北海ブレント先物は0.42ドル(0.5%)高の1バレル=83.17ドル、米WTIは0.43ドル(0.6%)高の79.06ドル。
米労働省が15日発表した4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で3.4%と3月の3.5%から鈍化した。インフレ率が第2・四半期初に再び低下傾向に転じたことが示唆され、市場では9月の米利下げ期待が高まった。
米エネルギー情報局(EIA)のデータによると、5月10日終了週の米国の原油、ガソリン、留出油の在庫は精製活動と燃料需要の増加を反映して減少した。
ANZリサーチは、インフレ鈍化と需要拡大の兆しが原油相場を下支えしており、地政学的リスクも引き続き高まっていると指摘した。
中東では、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ市民の避難先となっていた南部ラファを含む全域でイスラム組織ハマスと戦闘を継続。カタールとエジプトが仲介する停戦協議は膠着状態にある。
一方、国際エネルギー機関(IEA)が15日、2024年の石油需要伸び予測を日量110万バレルとし、14万バレル下方修正したことで、原油相場の上げ幅は限定された。