中国主席に「均衡の取れた貿易」要求、仏大統領と欧州委員長が会談
フランスのマクロン大統領(右)と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は6日、パリを訪問している中国の習近平国家主席(左)と会談し、一段と均衡の取れた貿易を確保するよう求めた。6日 撮影(2024年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
Elizabeth Pineau Leigh Thomas
[パリ/北京 6日 ロイター] - フランスのマクロン大統領と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は6日、パリを訪問している中国の習近平国家主席と会談し、一段と均衡の取れた貿易を確保するよう求めた。
マクロン氏は3者会談で、欧州と中国は特に貿易面での構造的な問題を解決する必要があると言及。「欧州の将来は、中国との関係を均衡の取れた形で一段と発展させられるかにかかっている」と述べた。
フォンデアライエン委員長は、欧州の中国との関係は不平等な市場アクセスと中国の政府補助金によって損なわれていると指摘。会談後に記者団に対し、欧州連合(EU)は「中国の工業製品の大量過剰生産を吸収することはできない」とし、「市場を守るために必要な厳しい決断を躊躇(ちゅうちょ)しない」と語った。
習主席は会談に先立ち、中国は欧州との関係を外交政策の優先事項としているとし、「世界が新たな混乱と変化の時代に入る中、世界における重要な勢力として、中国と欧州はパートナーとしての立場を堅持し、対話と協力を維持しなくてはならない」と述べた。
中国国営新華社通信によると、習主席は比較優位の観点から見ても、世界市場の需要の観点から見ても、「中国の過剰生産能力に関する問題」など存在しないと強調。中国とEUの協力は本質的には補完的かつ相互に利益をもたらすとした。
また中国国営メディアによると、習主席は3者会談で、中国はウクライナの和平交渉を促進するためにこれまでずっと「精力的に」活動してきたと指摘。中国はウクライナ危機を引き起こしておらず、またその当事者でもないと語った。
イスラエル・パレスチナ紛争については、その解決に向け、より広範かつ効果的で権威のある国際的な和平会議の開催を支援するためにEUと協力する用意があると言及。緊急の課題は可能な限り速やかに包括的な停戦を実現することであり、主な優先課題は人道支援を確保することだとした。