EXCLUSIVE-トランプ氏、在任中に対中情報戦を承認 習体制の悪評拡散狙い
3月14日、トランプ前米大統領が任期3年目に入った2019年に、中国交流サイトを介した中央情報局の情報戦に承認を与えていたことが、元当局者の話で明らかになった。2019年のG20サミットに参加した米中首脳、大阪で撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)
Joel Schectman Christopher Bing
[ワシントン 14日] - トランプ前米大統領が任期3年目に入った2019年に、中国交流サイト(SNS)を介した中央情報局(CIA)の情報戦に承認を与えていたことが、元当局者の話で明らかになった。習近平体制に市民の反感をたきつけることが狙いだったという。
3人の元当局者によると、CIAは工作員部隊を立ち上げ、インターネット上で身元を隠して習体制の悪評を拡散したほか、海外の報道機関に中国政府のイメージダウンにつながる情報を流した。
情報戦の詳細は明かしていないが、元当局者らは拡散した情報が事実に基づいていたと語った。情報戦の狙いは中国の最高指導部を精神的に追い詰め、中国政府がインターネット上で不正投稿取り締まりに資源を投じさせることだったという。
中国外務省の報道官はCIAの情報戦に関する報道について、米政府が世論やメディアを武器に「偽情報を広め、国際世論を操作している」ことを示していると批判した。
ロイターは、情報戦の影響や、バイデン政権がこれを継続しているかを確認できなかった。
共和党の大統領選候補指名が確定したトランプ氏は、11月の選挙で再選された場合、中国に対してさらに強硬な姿勢を取ると示唆している。