ニュース速報
ワールド

OPECプラス、第2四半期も自主減産延長 ロシア追加削減へ

2024年03月04日(月)07時20分

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国でつくる「OPECプラス」は3月3日、日量220万バレルの自主減産を第2・四半期も延長することで合意した。昨年11月30日、ウィーンのOPEC事務所で撮影(2024年 ロイター/Leonhard Foeger)

Maha El Dahan Alex Lawler

[ドバイ 3日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国でつくる「OPECプラス」は3日、日量220万バレルの自主減産を第2・四半期も延長することで合意した。

サウジアラビアは日量100万バレルの自主減産を6月末まで延長すると発表した。

ロシアは第2・四半期に原油生産・輸出を追加で日量47万1000万バレル削減する。同国のノバク副首相が示した数字によると、生産量の削減が占める割合が高まる見通し。

今年の原油価格は経済成長を巡る懸念が重しとなる一方、地政学的緊張の高まりやイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船攻撃が下支え要因になっている。OPECプラスの減産延長は広く予想されていたが、ロシアの発表は原油価格をさらに支援する可能性がある。

UBSのアナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「ロシアの削減が完全に実施されれば、さらに多くの原油が市場から取り除かれる。これは誰も予想しなかったサプライズで、価格を押し上げる可能性がある」と述べた。

減産はOPECプラスのメンバー国が個別に発表し、その後OPECが合計で日量220万バレルという数字を確認する声明を発表した。サウジの国営通信SPAは、減産縮小は市場の状況に応じて段階的に行われると伝えた。

投資銀行ジェフリーズのアナリストはリポートで「今回の決定は結束を示し、OPECプラスが供給量回復を急いでいないことを裏付けた。いずれ供給を増やす際も段階的になるという見方を後押しするものだ」と述べた。

石油ブローカー、PVMのタマス・バルガ氏は「延長は予想されていたが、第2・四半期末までの延長はサプライズと受け止められるかもしれない」とし、市場は上昇して始まると予想した。

各国の発表によると、イラクは第2・四半期に日量22万バレル、アラブ首長国連邦(UAE)は16万3000バレル、クウェートは13万5000バレルの減産をそれぞれ延長する。また、アルジェリアは5万1000バレル、オマーンは4万2000バレルの減産を行う。カザフスタンは8万2000バレルの自主減産を第2・四半期まで延長すると発表した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:FRB当局者、利下げの準備はできていると

ワールド

米共和党のチェイニー元副大統領、ハリス氏投票を表明

ワールド

アングル:AI洪水予測で災害前に補助金支給、ナイジ

ワールド

アングル:中国にのしかかる「肥満問題」、経済低迷で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本政治が変わる日
特集:日本政治が変わる日
2024年9月10日号(9/ 3発売)

派閥が「溶解」し、候補者乱立の自民党総裁選。日本政治は大きな転換点を迎えている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が増加する」農水省とJAの利益優先で国民は置き去りに
  • 3
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元で7ゴール見られてお得」日本に大敗した中国ファンの本音は...
  • 4
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 5
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 10
    川底から発見された「エイリアンの頭」の謎...ネット…
  • 1
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つの共通点
  • 4
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 5
    死亡リスクが低下する食事「ペスカタリアン」とは?.…
  • 6
    大谷翔平と愛犬デコピンのバッテリーに球場は大歓声…
  • 7
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 8
    再結成オアシスのリアムが反論!「その態度最悪」「…
  • 9
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 10
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中