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米下院議長、バイデン氏の弾劾調査を指示 「証拠が示す方向に向かう」
米共和党のマッカーシー下院議長は12日、バイデン大統領に対する正式な弾劾調査を開始するよう下院委員会に指示すると表明した。写真はマッカーシー下院議長。ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)
[ワシントン 12日 ロイター] - 米共和党のマッカーシー下院議長は12日、バイデン大統領に対する正式な弾劾調査を開始するよう下院委員会に指示すると表明した。「軽々しく下した決断ではない」とした上で、「われわれは証拠が示す方向に向かう」と述べた。
共和党の右派議員からは、バイデン氏に対する弾劾訴追を進めなければ、マッカーシー氏の下院議長解任を目指すという声も上がり、マッカーシー下院議長への圧力が強まっていた。
現在、金銭が絡む不正行為にバイデン大統領と家族が関与した可能性があるとして、下院の3つの委員会が調査を進めている。ホワイトハウスは共和党の主張を「ばかげた陰謀論」と退けている。
マッカーシー氏によると、複数の委員会の議員らが不正行為の可能性を巡り証拠の収集を開始するという。
ホワイトハウスのイアン・サムズ報道官は、共和党は不正行為の証拠を何もつかんでいないと指摘。ソーシャルメディアに「極端な政治は最悪だ」と投稿した。
下院監視・説明責任委員会が8月公表した議事録によると、バイデン氏の副大統領時代に次男ハンター・バイデン氏が父親との結び付きを自分のビジネスブランドの一部として売り物にしていたと、ハンター氏が役員を務めていたウクライナのエネルギー会社の元幹部が同委の聴取で述べた。下院の共和党議員は、バイデン氏とハンター氏ら家族が金銭の不正を行ったとの疑惑を裏付けていると主張している。
ただ、バイデン氏弾劾訴追に至る可能性は低いとみられる。共和党が過半数議席を握る下院で承認されたとしても、僅差ながらも民主党が支配する上院は通過できない見通し。
もっとも共和党の強硬派の一部は弾劾訴追がなければ可決が必要な歳出法案に賛成票を投じないと主張している。10月1日の新会計年度開始までにこれらの歳出法案が議会を通過しなければ、米政府の大部分は閉鎖されることになる。